ダーク・ファンタジー小説

Re: 命を売り買いする場所。 ( No.40 )
日時: 2015/07/28 12:19
名前: とりけらとぷす (ID: Pk3oxKzN)


【お知らせ】

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↓以下、本文です。



勉強が終わってからは、作戦会議が始まった。
だが、一向に解決策は出て来ず、二人で悩むばかりだった。
「あ…!」
「何ですか?何か思い浮かびました?解決策」
「僕の目…青色だ」
確か、ロベルトの説明では、青い目の人も対象だったはずだ。つまり僕は、自分の身を守りながらも、サクラや、シフティ、その他大勢の対象者を守らなければいけない。
僕の言葉を聞いて、ロベルトは急に目を細めて笑い出した。
こんな緊急事態だというのに、笑うなんて失礼だ。そう思ってむっとしていると、ロベルトは笑いが収まったのか、まだ少し上がっている口角を無理矢理さげて、話し出した。
「レオ様…。貴方、いつから女になったんですか?」
そう言っては、また笑い出した。
僕は、彼の言っている事がわからず、首をかしげた。
「勉強で私の説明が吹っ飛んだのですね。あの、レオ様、対象人物は、全て”女”ですよ。だから、レオ様が女の格好でもしない限りは…」
ロベルトは、手でお腹を押さえて笑っていた。よほど、彼のツボだったらしい。
それとも、僕がドレスでも着ている姿を想像して笑っているんだろうか。全く、失礼な人だ。いくら協力してくれると言っても、余計な事は避けたかった。そもそも、僕が変な発言をした事が問題なのだが。
「もう、早く進めるぞ」
「そうですね」
「まずは、やっぱり仲間がいると思う。ロベルトは、仲間を集めてきてくれ。僕達と同じ考えで、信用出来る人を。裏切らないやつを頼むよ」
僕が言うと、ロベルトはいかにも面倒くさいという顔をした。
「えー。それ、私がするんですか」
「何なりとお申し付け下さいって言ってただろ」
「はいはい、私がやりますよ。本っ当に貴方って、何でも私に頼みますね」
「ロベルトは優秀だからな。それ以前に、僕は子供、ロベルトは大人で、出来ることも違うし」
僕が人集めなんてしたら、何年かかることだろう。最近、やっと世間の事をわかってきたばかりなのに。きっと、僕は皆を信じ、騙されることだろう。人はまず、信じることから始めるのが良いとされるが、今回は別だ。疑うことから始めないと、殺されてしまう。どこぞの友達づくりでは、ダメなんだ。
だから、ロベルトを選んだ。僕の心を、一時期ぎたぎたにした人だ。きっと、彼なら出来るだろう。
「そろそろ、お食事の時間ではないですか、レオ様」
「ああ、もうこんな時間か」
いつの間にか、 6時になっていた。集中していてわからなかったが、よくよく耳を澄ませば、教会の鐘の音がカーンカーンと遠くの方から響いている。
「そうそう、私は人集めをしますが、レオ様は、何をなさるんです?まさか、こんな大きなことを私に任せておいて、何もしないなんてことはないですよね?」
ロベルトは、席を立つ僕に、半ば脅迫的に聞いてきた。
「僕は、これをどうにかする方法を、父上や、母上に相談してみる」
僕の答えを聞いて、ロベルトは酷く驚いたのか、目を丸くして、疑い深く聞いてきた。
「正気ですか?」
「ああ、もちろん、正気だ。それくらいの代償は、僕にもさせてくれ」
「まぁ、代償としては…それくらいに妥当しますね。いいでしょう。では、私は3日で人を集めてきます」
「正気か?」
「ええ、もちろん正気ですよ」
僕らは、それからそれぞれのところへ向かった。
廊下を歩いている途中、サクラが前方から駆けてきた。
「レオ様、どこへ行ってたんですか?探したんですよ!さぁ、早く食堂へ。皆さん、レオ様を待ってますから」
そう言って、サクラは僕に手を伸ばした。
「また走らされるのか?」
僕が苦笑いで言うと、サクラはもちろんです、と言って僕を引っ張った。彼女はここに来てから、いつも笑っている気がする。その笑顔に、励まされて、もっともっと生きていようと思う。彼女のおかげで、僕は、僕の正義を捨てられずにいられた。
だからーーーーーーーー僕は、君のために戦うよ。命を懸けて。