ダーク・ファンタジー小説

Re: 命を売り買いする場所。 ( No.55 )
日時: 2015/09/22 11:25
名前: とりけらとぷす (ID: 57S6xAsa)


「……島?」
海のずっと向こう側ーーーーーーーー地平線の辺りに緑色の点がぼやけながらも浮かんでいた。
「そうです。島ですよ。カナリオ様は、王に仕える身でありながら、貴方に些細な答えを与えたのでしょうね」
”海の向こうに答えはある”
ああ、そういうことだったのか。
父上…貴方は、何を考えている?
馬鹿なことはやめろと、いつも僕をとめる。
正義なんて偽善だと僕を絶望に追い落とした。
なのにーーーーーーーー。
何故、僕に協力してくれるんだ?何故ーーー。
僕は悩みに悩んだ。でも、その答えなんてちっとも浮かばなかった。
父親が、僕に協力してくれるはずなんて無かった。
僕が考え込んでいると、ロベルトが遠くを見ながら言った。
「父親って、そんなものなんですよ」
「父親になったこと無いくせに」
父親がくれた、些細な答え。
あそこに、人は集められているということ。
僕達に、少しながらも光が射した。