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ダーク・ファンタジー小説
- Re: Amnesia ( No.1 )
- 日時: 2015/05/28 18:34
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
彼女は今度こそ、僕のことを覚えてくれているだろうか。
僕は彼女の部屋の前に立った。
ノックをしようと右手を上げた。
コンコンと子気味のいい音がした。
いつもどうりだ。
「はい」
部屋の中から、彼女の声がした。
これも…いつもどうりだ。
僕は部屋に入るのを一瞬ためらったあと、ドアノブに手をかけ、彼女のいる部屋へ一歩足を踏み入れた。
彼女は窓辺の椅子に腰かけ、窓の外の景色をみていた。
それから彼女はゆっくりと振り返り、僕の姿をとらえると、少し驚いたように瞳を丸くさせたあと、ふわりと笑い僕に言った。
「はじめまして。こんにちは?」
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