ダーク・ファンタジー小説

Re: Amnesia ( No.22 )
日時: 2015/06/05 18:41
名前: のれり (ID: R4l9RSpR)

咲ちゃんが家に来るようになって2か月がたった。
僕たちの中学校は、夏休みに突入していた。

僕はコンビニからの帰り道、ふと足を止め、空を仰いだ。

青の絵の具をまき散らしたような空、アスファルトをジリジリと照りつける太陽…。
僕は、太陽のことをひとにらみしてから、ふたたび歩き始めた。

「…にしても、どうして僕がパシリなんかに…」

独りつぶやいた。
僕の独り言が、アスファルトの上にできた陽炎に吸い込まれていく。
僕は暑さにだれそうになりながらも、家路を急いだ。

否。急ごうと努力はした。


軽い倦怠感を覚えながらも、やっとのことで家に着いた。

僕は、その場に倒れこみたい衝動を必死にこらえ、2階へ上るために階段をのぼりはじめた。

しかたがない。

こうなってしまったのも、僕の浅はかな行動のせいなのだ。