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ダーク・ファンタジー小説
- Re: Amnesia ( No.42 )
- 日時: 2015/06/28 09:54
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
舞と翔太さんが家に来るようになり、はや二ヶ月となった。二人はほぼ毎日のように家に来るようになった。舞は私に会うために。翔太さんは姉さんに会うために…。
私はだんだんとこんな日常に慣れてしまっていた。寂しい気持ちは無くならないが、姉さんが幸せになれるなら、私は——…。
舞は、いつも私に優しかった。姉さんと翔太さんを見て、つらそうな顔を私がしたときはいつも明るい話題をしてくれた。
舞はいつの間にか私の心の拠り所になっていた。
優しくて可愛い舞。舞は私の親友になった。
11月に入り、風が冬の訪れを告げるように吹いてくるようになった、そんなある日のことだった。日曜日ということで舞と翔太さんはお昼すぎからうちに来ていた。
私と舞はいつもどうり、部屋で話していた。
「さえかさーん、あのひとはどうなったんですかぁ?」
「…なによ…〃こ、ことわったよ…!」
「え、断っちゃったんですか」
などと、私と舞が話している時だった。
部屋の外から言い争うような声が聞こえてきた。
どうやら、姉さんと翔太さんのようだ。
私は不審に思い、廊下へ出た。
「姉さ——————…」
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