ダーク・ファンタジー小説

Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.14 )
日時: 2015/06/15 23:52
名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)

 つづりは、できあがった食事をテーブルに運んだ。
 そして、青年と向かい合わせになるように今日夜の隣に正座した。
「……いただきます」
 今日夜は食べ始めたが、つづりはまだ警戒するように青年を眺めていた。
「ずいぶん嫌われてしまったようだね」
「……。お前が変なこというからだろ」
 今日夜はご飯を飲み込んでから言った。
 意外と礼儀正しい。
「こいつ、腐れ縁っていうか、そのー……同じ施設の奴なんだ」
「まぁ幼馴染みだね」
 それから青年はまだ自己紹介をしていないことに気づいて、改めて向き直った。
「僕は來 枝暮(キタ シグレ)。今日夜とは同い年だよ。普段は駅前の書店で働いている」
 二人の打ち解けている様子に少し安心したのか、つづりも簡単に自己紹介をした。
「わたしはつづり。あざかつづり。年は……12歳」
「コイツ、変な奴だけど悪い奴じゃねぇからさ」
「流石今日夜、よくわかってるじゃないか」
 枝暮は嬉しそうにそういって、それから時計を確認した。
「……もう3時か。僕はこれでおいとまするよ」
 そして、仕事があるんでね、とつけたして立ち上がった。
 つづりがバイバイ、といって手を振るのを横目に、今日夜は考えていた。
 この少女をどうするべきなのか。
 これから、どうすればいいんだ?
 今日夜のしていること……。即ち殺人という行為をつづりはどう思うのか?
 そんな今日夜の思いも知らず、つづりはいただきますと呟いて、少し冷めた卵焼きに箸をすすめた。