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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.16 )
- 日時: 2015/06/17 19:13
- 名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)
とても嬉しいご感想ありがとうございます///
ご期待に沿えるようがんばります……っ!!
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夜。
今日夜はソファの上で横になっていた。
今日はすっかり晴れていて、美しい月が見えている。
「……」
一人になった部屋。
この雰囲気にすっかりなれたと思っていた彼だったが、急に同居することになった少女一人がいないだけで、こんなにも静けさを感じようとは、予想していなかった。
今日夜は、もう寝るか、と目を閉じた。
そのときーー
「!?」
ガチャリ、と鍵がひらき、チェーンを外す音が聞こえた。
合鍵なんて誰にもわたしていない。
もちろん枝暮にも、だ。
「誰だ」
急いで体を起こして立った。
ナイフなどの凶器は近くにない。
キィイ……とゆっくりドアが開く音がする。
だが、暫くしても人の気配は無い。
辺りを見渡す。
「ーーっ!」
「……今日夜くん」
いつの間にか、背後には人がいた。
しかも、よく見知った顔。
「……ぁ……」
誰よりも俺に優しくしてくれたあの人。
生活の仕方も、他人との接し方も、全て彼が教えてくれた。
「どうしてあの時……」
懐かしい声。だがその声色は悲しみに満ちている。
「やめてくれ……」
声が震える。膝が笑って、ガクン、て膝をついた。
「君は、本当に怪物になってしまったんだね」
「いや、だ……聞き、たくな……い……っ」
耳を強く強く塞いでも、頭に声が響いてくる。
「罪から逃げることなんてできない」
最後の言葉は、すぐ耳元で聞こえた。
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