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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.19 )
- 日時: 2015/06/23 11:28
- 名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)
参照100感謝です!!
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「キョウヤおにいさんは……どうしてわたしのいえにいたの?」
「……っ」
キョウヤは声をつまらせた。
それは、彼がつづりに告白しようとしていたことそのものだった。
勿論、いつかは言わねばならない、と自覚はしていた。
キョウヤが思うに、彼女は怪物を忌み嫌っている。見た目だけではなく、非人道的な行為も。
彼が快楽殺人という、人間として考えうる限り最低な悪行をしでかしていること。
つづりがそれを知ったとき、彼女は……?
「……真実を知れば、きっとお前は俺のことを軽蔑するし、俺についてきたことを後悔する」
「どういうこと?」
言葉が難しかったのか、つづりは首をかしげた。
キョウヤは簡単な言葉に言い換えた。
「……俺がお前の家に言った理由がわかれば、きっと俺のことを嫌いになる」
「……ならないよ」
「絶対になる。誰もがな」
つづりは彼が確信する脈絡さえもわからなかったが、それでも否定した。
「キョウヤおにいさん、怖い人じゃないよ。とってもとっても、優しい人」
その両手を力強くぐっと握りしめて。
それでも、優しく語りかけるように。
「……俺は人殺しだ。優しくなんて、無い」
「わたしだって、おとうさんとおかあさんをころしてる」
キョウヤはつづりに背中をむけ、息をひとつ吐いてから、暗い声で、語りはじめた。
「……はじめて人を殺したのは、お前と同じ位の年の頃だ。少し長い話になるが……大丈夫か?」
つづりは小さく頷いた。
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