ダーク・ファンタジー小説

Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.22 )
日時: 2015/06/26 19:51
名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)

第三章BLOODYMOVIE

「貴様の居場所など、ここに、いいや、この世界のどこにもは無い」
 それは、死ねってことですか。
 僕は生きていちゃいけないから、居場所が無い人間は、存在しちゃいけないから。
 僕は、それが恐怖という感情のメタファーだとも知らず、真に受けて。
 包丁を手にとった。
「……これで良いんですよね」
 死ぬことには恐れを抱いていない。
 毎日のように、貴様の存在は罪だと、そう言われてきたから。
 おかげで、まだ9つのこんな子供が、随分と理屈じみた、不気味な人間に成り下がってしまったのだけれど。
 いや、人間じゃないんでした。
 僕は、怪物です。

          *

 目が覚めると、見慣れた染みのある薄汚れた天井があった。
 調理場に入って、包丁をとって、その後僕は、勢いよく胸につきたてたハズじゃあ……?
 一秒たたず血しぶきが吹き出し、化け物の死体がひとつ、出来上がる予定だった。
 誰だ、邪魔をしたのは。
 服を捲って、刺した辺りを確認する。
「……っ!!」
 傷口は塞がっていた。
 綺麗に、とまでは言えないけれど。