ダーク・ファンタジー小説

Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.42 )
日時: 2015/09/08 18:10
名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)

 気がつけば、辺りはすっかり暗くなっていた。
 俺は見たことのない公園のベンチに座っていた。息がきれて呼吸が苦しい。
 涙はもう止まったものだと思っていたが、こうして静かな空間にいれば、また彼の言葉を思い出してしまい、また泣いてしまいそうだ。
 何故、俺は泣いたのだろう。
 俺が化け物じゃない?
 まさか、ありえない。
 彼の優しさが嬉しかったのか?優しさなんて偽りだと、俺は身を持って、ハッキリわかっているはずなのに?
「ありえない……」
 公園には俺独りで、誰もいない。きっと明るい時間は賑やかだったのだろう。
「君もひとりかい?」
「……!?」
 驚いた。単純に驚いた。さっきまで誰もいなかったはずなのに、まさか声をかけられるなんて思ってもみなかった。
「そんなに驚かないでくれよ」
 フードを深く被っているので顔はみえないが、どうやら俺と同じくらいの年のようだ。