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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜 ( No.44 )
- 日時: 2015/09/17 19:27
- 名前: RINBYO (ID: jV4BqHMK)
少年は苦笑いして、うつむいた。
「はは……僕は、なにをしてるんだろう。僕は……母親を……」
声が苦しそうに歪む。
泣いて……いるのだろうか?
「……」
俺はなにも言わずに、ただ隣に座っていた。
「僕は母親を喰らったんだ……なにも食べられないはずなのに、喉をとおらないはずなのに……」
普段なら、こんな奴のことは気にせず、一人になれる場所を探すなりなんなりしているのだろう。
「何故、おいしいと思ってしまったんだ……?」
でも、できなかった。
きっと、少年が俺に隠し事を話してしまったのも、今の俺と同じような気持ちだったからだろうか?
気持ち……感情。
こんなにハッキリとそれを感じたことは、久しぶりな気がする。
いや、ついさっき……
「僕は、何なんだ……っ」
「人間、だろ?」
思わず、言葉が口をついた。
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