ダーク・ファンタジー小説
- Re: 影舞う月夜に君想う〜What a ugly beast〜復旧 ( No.59 )
- 日時: 2016/01/28 22:48
- 名前: 吉田 網張(RINBYO) (ID: jV4BqHMK)
んんん、エラーなのかなんなのか……文章が途中までしか画面にはいらず見切れているのは私だけでしょうかね……?;; しばらく格闘してましたが打てないことはないので頑張ります……
文章おかしかったらすみません;;
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その日、綴は、はじめて母に殴られた。
半狂乱に陥った母親は、どうして言いつけを守らなかったの、と、泣き叫んだ。
怪物、出来損ない……そんな言葉を延々と浴びせられて、冷たい氷の刃が胸に刺さったような感覚を覚えた。
少しして、帰ってきた父親がなんとか母親を落ち着かせたものの、そのときの綴を見る父親の目は、娘に向けられるものとは思えなかった。
しかし次の日からは、はじめからなにもなかったかのように、いつもの生活が始まった。
1つ変わったことといえば、前にも増して、綴への態度が、普通ではなくなったことだった。
いや、もしかしたらそれは、彼女がやっと気づいただけなのかもしれない。彼女はきっと心のどこかで、外に出られないことは、普通のことだと、思い込んでいたのだ。しかし、見てしまった。気づかされてしまった。
自分は普通じゃない。
両親が私を外に出さなかったのは、「怖い世界」から私を守るためじゃなく、「普通の世界」に、おかしなモノを出さないためなんだ。
両親は私を愛していない。
__私という怪物を、怖がっているんだ。
昼間の、母親と二人きりの家。カーテンで日光が遮られた自分の部屋でそう気づいた時にこみあげてきたのは、怒りでも、悲しみでも、疑問でもなかった。
ごめんなさい。
ただ、それだけ。言いつけを守らなくてごめんなさい。悪い子でごめんなさい。なにより、幸せを壊して、ごめんなさい。
私が普通だったら、それか、生まれてこなかったら……きっと、父も母も、幸せだった。そう思って、綴は声もなく、ほの暗い部屋の中で、声もなく泣いた。
「そんな化け物なら、死んじゃえば良いんだ」
その時、自分とは違う誰かの、幼い少女の声が、そう囁いた気がした。
そう、死んでしまえば良い。全て終わらせれば、両親に幸せを返すことができる……?いなくなってしまえば……?
「いやだ……いやだよ」
不思議な声が、彼女の思考に火をつけた。小さな、生きることへの執着の火。
「どうしてわたしがいなくならなくちゃいけないの?」
火は、どんどんと燃え広がる。もう、消せない程に。
「わたし、いなくなりたくないよ……」
いつの間にか、夜になっていて、薄いカーテンの後ろでは、ザーザーと、どしゃ降りの雨が降っていた。
「わたしがいなくならなきゃだめなせかいなんて、こわしちゃえばいいんだ」
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