ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.18 )
- 日時: 2015/10/31 22:01
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: Nw3d6NCO)
一年前、入学式。
まだ少し冷たい風とともに、その日はやってきた。
今より少し短い、肩くらいの長さの髪がなびく。
慣れない制服に身を包み、私は教室に入った。
そして緊張しながらの入学式は終わり、寮に帰ろうとしたとき、事件は起きる。
ジェイ・マグドネル、当時のそいつについて少々。
炎魔法を使う、バスケ部の生徒。
高身長で当時は175cmほどで(今は184cmらしい)、ガタイも良かった。
さらに熱血で人懐っこく明るい性格のため、頼りにされる事も多かったようだ。
そこは今と変わらない。
そんなやつだからこそ、私は嫌いなのだ。
—私が教室を出ると、廊下では騒ぎが起きていた。
男二人で口論が起きており、あいつはそいつらをなだめているようだった。
野次馬も十数人いるところを見ると、長い事やっているようである。
野次馬に聞いてみると、今学長を呼びにいっているとの事だ。
だが、私には下に兄弟が三人いる。
これくらいの喧嘩を止めるのは慣れていたので、止めに入ろうとした。
すると、その時。
ついに殴り合いに差し掛かろうとし、一人が拳をあげた。
瞬間、あいつがその間に入り、思いっきり殴られる事になった。
女子の中には悲鳴を上げる者も多数。
倒れたあいつは、なにかー…。
雰囲気が変わった。
そして次の瞬間、あいつの周りを囲むように、炎が現れた。
まるで、あいつの怒りを表すように。
そして弾丸のような炎が、喧嘩をしていた男二人を襲った。
だが、二人ともなんとか避け—
私に勢いよく当たった。
痛いし、熱い。
そして私は。
私ほとんど下着の姿になっていた。
炎自体はすぐ消えたが、そのすぐの間に服がほぼ焼けていた。
簡単にまとめると、ほぼ下着姿の私を、野次馬とあいつたちに見られたのだ。
ついでに言うと、下着も少し焼けていた。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああっっ!!??」
私はすぐに飛び出した。
そしてトイレに駆け込むと、運よく持っていた指定ジャージを着て帰った。
そこからは覚えてない。
だが多分、喧嘩は終わっただろう。
そして後から学長に教えて貰ったが、あいつは魔力が並みの魔法使いよりも多いらしい。
だから感情が高ぶったりすると魔力がコントロール出来なくなり、自然に魔法を使ってしまうそうだ。
だが、そんな事は私には関係ない。
この手で私は、あいつに復讐するって決めたんだから。