ダーク・ファンタジー小説

Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.21 )
日時: 2015/11/20 23:10
名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: X2wsDvW1)

バトルって、こんなにワクワクするものなんだ…。
二年生がそれぞれの教室に移動している間、私は心臓を抑えるのに必死だった。
止まらない胸の高鳴りがうるさい。


でも—…


私もあんな風に、思いっきり戦ってみたい!
そんな感情が、私の中に駆け巡る。


「…—さん?」


「レアノさん!大丈夫ですか?」
気づくと、目の前にはエステマちゃんがいた。
「え?エステマちゃん、何でここに?」
「一年生ももう移動しちゃいましたけど、レアノさん、ずっとボーッとしてたので…」


確かに周りを見ると、私たち以外に人は立っていない。
もしかして私、5分ぐらいずっと感動して立ってたって事?
「ほ、本当だ…。ゴメン、私たちも行こっか…?」
ずっとボーッとしてたなんて、恥ずかしい…!!


「えっと、次は学級活動だって。それが終わったら帰れるみたい」
でも、学級活動って何するんだろう?
「自己紹介とかするんでしょうか…?私、そういうの苦手です…」
「あー、私も苦手!緊張するし!」


そんなこんなで教室到着。
「あ、教室隣なんだ。じゃ、また後で!」
「はい…!」
エステマちゃんと別れ、攻撃科一年の教室の扉に手を伸ばす。
期待と不安と緊張を一気に吹き飛ばすように深呼吸。


扉を開けると、今は自由時間なのか、生徒たちは思い思いに時を過ごしていた。
おしゃべりをしている人、読書をしている人など。


人数は見たところ二十数名で、意外と少ない。
ただ席は決まっているようで、私は自分の席を探すことにした。
すると席は割とすぐに見つかり、窓際の一番後ろの席だった。


席に座った瞬間にチャイムが鳴り、先生らしき人が入ってきた。
茶髪にショートボブの、若く可愛らしい女性。
「はい、皆さん初めまして!私はこのクラスの担任のミカ・マレトンです」
ニコッと笑う姿は、ここにいる全員に癒しを与えただろう。


「では予想はついたたと思うけど、自己紹介から始めましょうか!」
来た、自己紹介!
ああ、どうしよう、何言えばいいの!?


「じゃあ、そこの…金髪の…、レアノさんから始めてもらっていい?」
……え。
「え、あ、…はい」


…なんで私からなんだ!?
どうしよう、でも一番最初だし、無難にやっておいた方がいいのかな…?
ああ、もうどうなっても知らん!!



「…レアノと、い、言いま…す。よろしくおね……へ、へっくしゅん!!」









…—お、オワッタ…。
ナンデ、コノ、タイミングデ、クシャミガ、デルンダ…。


全身真っ赤、鼻から少量の鼻水。
数秒の沈黙、その後の大爆笑。


…私、羞恥心であの世に行けるかもしれない。
この時には、期待も不安も緊張も、全部忘れていた。