ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.27 )
- 日時: 2015/11/29 19:31
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: .qxzdl5h)
今日から、ついに授業が始まる。
私は期待に胸を膨らませ、カーテンを開けた。
「ほら、エステマちゃん!起きて起きて!」
どうやらエステマちゃん、朝が弱いらしい。
寮の食堂で朝食を済ませ、学園に向かう。
そうして学園につくと、ちょうど授業が始まった。
一時間目は、学びの時間。
「皆さん、おはようございます。今日は初授業って事で、説明をしますね!」
そう言い微笑んだのは、我らが担任、ミカ先生。
「この学びの時間では、自分の魔法の事、魔法語解読など、頭を使う授業をします」
つ、つらいなあ。
「今日は、これからについての説明で終わっちゃうかもですけどね」
「それでは、最初に五つの科に分かれてください。雷科の人はここで…」
五つの科?なんだそれ!?
困っていると、誰かに声をかけられた。
「君、大丈夫?」
聞き覚えのある声だった。
「困っているみたいだけど…科…って、わかる?」
貴方は。
「あ、ティッシュをくれた…えーっと…」
「ああ、名乗ってなかったね。僕、レスター・カノヴァスです」
自己紹介の時に親切にしてくれた、たれ目の彼だった。
「えっと、科って、炎科とか、水科とか、の事ですか…?」
前、バルシェ先生に調べてもらった事のことかな?
私が自信なさげに言うと、レスターは微笑んだ。
「そう、それ。君、何科?」
「私は炎科。レスターは何科?」
「僕は氷科だよ。じゃあ、そろそろ分かれよっか。炎科はあっちだよ」
レスターはそう言い、氷科の方に行った。
よし、私も!
炎科の方に足を運ぶと、そこには既に一人の少年がいた。
「初めまして!レアノと言いまー…」
ツンツンした黒髪、鋭い目つき。
あれ、この人ってー
「あーーーーーーーーーーーーー!?アンタ、あの時の、超上から目線だった!!!」
ホウキで空が飛べなかった時、嫌味を言ってきた少年だった。
「あれは、お前が全然なってなかったからだろ」
険しい顔をし、そう言う少年。
な、なんだとー!?
「はじめてだったんだもん!!これから練習するって言ったじゃない!!」
私が反論すると、少年も更に反論。
「はじめてでも、あれはない。俺ははじめてで飛べた」
「そんなの、出来るまでの期間は人それぞれでしょ!?…たぶん!!」
そんな騒ぎを聞き、ミカ先生が駆けつけてきた。
「二人とも!争い事はやめなさい!」
だが、両者とも聞く耳を持たずに、言い争っていた。
教室全体がざわつき始めた、その時ー
「やめろっつってんだろ!!クズ野郎!!!」
怒鳴り声が、室内に響き渡った。
静まる教室。
早歩きでこちらへ向かってくる人物。
聞き覚えのある、その声の主は。
レスター・カノヴァスだった。
刹那、少年の前に立つと、腹部に強烈なパンチが叩きこまれた。
「うっ…ぐわぁっっ!!」
少年は、痛そうにお腹をかかえた。
そして私の方に目を合わせ、太陽のような微笑みをみせる。
「彼、武田夏芽っていうんだ。こんな奴だけど、仲良くしてやってね」
…こ、怖い!!