ダーク・ファンタジー小説

Re: 【新章突入!】魔法少女の世界−New World− ( No.41 )
日時: 2016/01/02 23:58
名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: MW3WsllJ)

紅花ちゃんとレスターは次々と攻撃をし、ついに竜は倒れてしまった。
「よーし…、ここまでくれば、もう楽勝ルラ。どうするルラ?」
紅花ちゃんが一息ついてから言うと、レスターはニヤッと笑った。


「そうだねえ…。後は僕に任せて」
そう言ってレスターは、どこからか縄を取り出した。
そしてその縄で慣れた手つきで竜を巻いた。


「ここからが本番だよ…。覚悟しといて?」
レスターは、今まで誰も見た事もないような、さわやかで美しい笑顔をみせた。


またもどこからか取り出したムチを持ち、ゆっくりと竜に近づいていく。
そして躊躇なく、勢いよくムチで竜を打った。
「うん…。いい感じだな…」
ぼそっと言うと、また嬉しそうに笑う。
そうしてまたムチで3回竜を打つ。


「ねえ、お前は今打たれてどんな気分だ?嬉しい?苦しい?」
…レスターって…。


すると、夏芽がすごい顔で解説してきた。
「世の女どもは分かってねえ。あいつはただの変態サド野郎だ」
確かにルックスは良いけど、あれは、ちょっと…。
「前にあいつが強盗を捕まえた時も、ひどかったな…」
わーお、確かにすごそうだなあ…。


すると、紅花ちゃんが口を出した。
「オマエ、いつまでもやってないで、この竜どうするか考えろルラ」
「…そうだね。やっぱ人間じゃないとつまらないし」
わーお。


でも、そういえばそうだ。
竜は、どうすればいいんだろう…。


「たぶん実験の失敗で、だよね。殺すしか選択肢がない気もするけど」
…え!?
「ふーん。じゃ、そうするルラ?」
そんな、でも、それじゃあ。


「ま、待って!殺すなんて、そんな」
私が口をはさむと、紅花ちゃんが顔をしかめた。
「じゃあどうするルラ。このままこの竜ほっといたら世界は滅茶苦茶ルラ」
…確かにそうだけど、私のせいで。
ゼノ先輩の頑張りが、なくなってしまうなんて。


「でも…」
私が何も言えなくなってしまった、その時。



「ある。殺す以外の選択肢なら」



ゼノ先輩だった。
「この原石に、竜をもう一度封じ込めばいい」
そして握りしめていた手を開き、割れた原石の破片たちをみせた。
「え、でもそれ割れて…。あの、どうやって…?」
私がおそるおそる聞くと、ゼノ先輩は少し笑った。


「…間違っていたのは、俺なんだ」


ゼノ先輩は息を吸うと、目つきが変わった気がした。

「ズィーゲル」

すると竜は宙に舞い、影となる。
そうして原石の破片たちに吸い込まれたかと思うと、原石は元の形に戻っていったのだった。