ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.56 )
- 日時: 2016/02/20 16:35
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: 4qS6O2ST)
夏芽によると、レスターと夏芽の部屋、401号室で拷問が行われているらしい。
全速力で走り、401号室に到着すると、急いで扉を開ける。
と。
ムチを持った姿が似合うレスター。
そしてそこに、目隠しをし、椅子に縛りつけられたロイスがいた。
「き、きゃあああああああっ!?何してんの、二人とも!?」
私は手で顔を覆いながら叫んだ。
なにか、いけないものを見てしまったような気がする!!
「彼、全然吐かないんだよね。あ、レアノもやる?」
レスターが黒い笑みを見せる。
「やらないよ!てゆうかレスター、ロイスは犯人じゃないの!」
瞬間、時がとまる。
「…え」
「そ、そうだ!だから俺は、女の子に暴力なんて振るわないって!」
静まったなかの、ロイスの反論。
「本当…?」
私の方をみて、驚いた様子で聞き返すレスター。
「…うん。」
私は頷きながら答えた。
「…犯人は、分かったの?」
「いや、まだだよ。でも、手掛かりはあるから」
「おーいレスターくん!早く縄はずしてよ!」
ロイスが、椅子に縛られながらじたばた動いた。
「…」
「レスターくん?はーやーくー!!」
「よし。夏、犯人を見つけるぞ。レアノ、手掛かりを教えてくれる?」
「え、えっと、今ザストが—」
何事もなかったかのように部屋をでる私たち。
夏芽にこそっと耳打ちしてみた。
「…ねえ。ロイス、椅子に縛ったままで大丈夫かな?」
「…今、レスターガチで怒ってるからな。言うとおりにしとこう」
* 「…ちょっと、レスターくん?おーい、あのー?」
その日の夜。
「レアノちゃん、名刺ありましたよ!」
部屋にいた私を訪ねてきたのは、ザストだった。
「あ、ザスト。どこいったかと思った」
「名刺がなかなか見つからなくて。3時間かけました」
「まじか!?」
「それで、私、この名刺の名に心当たりがあるんです」
ザスト、突然のカミングアウト。
「ええっ!?知り合い!?」
「…ちょっと、訪ねてみようと思います」
ザストはそう言って、険しい顔になった。
そして、いつも通りの日常に戻りつつあった。
体育祭の準備も着々と進み、私は生徒会の補佐をすることになった。
夏芽と雪見も同じ係にする事が成功、司会と実況役だ。
でも、その間ザストが姿を現すことはなくて。
その状況は、体育祭前日まで続くのだった。