ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.61 )
- 日時: 2016/03/05 18:03
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: 4OBDh6qC)
兄に劣等感を抱き始めたのは、いつだっただろうか。
小さい頃から兄の小さい頃と比べられ、結果兄が褒められる。
兄は、俺からすべてを奪っていったのだ。
家族からの愛情も、俺の初恋もー…。
* * *
『それでは、生徒の入場です』
アナウンスが流れると、生徒たちは一斉に校庭に飛んでいく。
(ちなみにアナウンスは、司会・実況係の夏芽と雪見だ)
私もその流れに乗り、ホウキで空を飛ぶ。
『バルシェ先生のお話です』
すると、ステージにバルシェ先生が現れる。
「皆さん、こんにちは。本当ならここに学長がいらっしゃるんですが、急用ということで僕が代役です」
そういえば昨日、体育祭は見れないってザストが言ってたっけ。
…バルシェ先生のお話はまだ続くんだけど、割愛。
自分の座席に戻ってプログラムを確認すると、私の出る種目までけっこう時間がある。
エステマちゃんの所に行こうかな、と思い立とうとした時、目の前に。
ロイスが立っていた。
「君に話したい事があってさ。出来ればレスターくんも一緒だといいんだけど」
「…じゃ、レスターの所に行こう」
レスターも承諾したので、私たち三人は校舎裏で話す事にした。
王子二人と校舎裏に行く私っていったい何だと思ったけど、深く考えないでおこう。
校舎裏に着くと、ロイスはいきなり頭を下げてきた。
「…君たち二人には本当に嫌な思いをさせたと思う。悪かった」
「本当はもっと早く謝りたかったんだけど、俺自身も落ち着いてなかったから…」
「…まあ僕は、もう仕返しみたいなのしちゃったし。いいよ」
「ああ、ムチは痛かったな…。もうあんな思いはしたくない…」
「私もレスターがいいならいいよ!私がなにかされたわけじゃないし」
ロイスは、良かった、と安心したように笑った。
「今日はせっかくの行事だから、正々堂々戦いたかったんだ」
「よーし、ロイス!頑張ってレスターを負かそう!」
「お、言ったねレアノ。勝つのは白組だよ」
「俺の真のライバル、レスターくん!!赤組をなめてもらっちゃ困る!」
…体育祭、楽しくなりそうです!