ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.8 )
- 日時: 2015/09/11 21:44
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: m8MaC.Dk)
高級感溢れる紅の絨毯に、宝石を散りばめたようなシャンデリア。
本や書類が入っている棚に囲まれた場所に、一人の青年はいた。
綺麗なベージュ色の机にふかふかとした黒の椅子。
そこに座っていた青年は、ガタッと立ち上がり、私をただ見つめていた。
青年はふわっとした銀髪に優しそうな赤目、漆黒のローブを見に纏っている。
彼はとても整った、綺麗で絵に描いたように美しい顔立ちだった。
そして青年は、にこやかな顔で笑った。
「ようこそレアノさん。ザスト・ホーズと申します」
私に向けられた瞳は、とても澄んでいた。
「お待ちしていました。ではさっそく、貴女と話がしたいのですが」
…てか、それより。
「あの、ここどこなんですか!急に光がしたと思ったら、ここに…」
ザスト・ホーズと名乗る青年は、一瞬、寂しそうな顔をした。
「それもふまえ、話をしましょう」
ここに座って、と指示された場所はソファ席だった。
彼の言葉にしたがったのは、何故だか彼が信じられると思ったからだろうか。
「まず、あの手紙を出したのは私です」
やっぱり、とコクコク頷いた。
だって、あの手紙には彼の名前があったから。
「そして、貴女を呼んだのは、ある提案をしたかったからなんです」
「レアノさん、魔法学校に通ってみませんか?」
え?
急に言われて、訳が分からない。
魔法学校なんて…そんな。
「そんなのあるわけないじゃん。貴方、大人のくせに馬鹿なの?」
初対面だし、つい本音を漏らしてしまった。
すると青年は。
「やはり知りませんか。では、一つお見せしましょう」
にこやかに笑った。
ー刹那。
青年の身体に、炎が取り巻きついていた。
蛇のように浮く炎に、私は釘付けになった。
「マジックでもない、ただ杖をふるだけで出来るんです」
私はキラキラと目を輝かせていた。
「魔法学校で、魔法を学ぶのも楽しいですよ」
「で、でも。私にそんなこと」
楽しそうと思う反面、現実が突きつける。
「出来ますよ」
肯定された。
「貴女には素質があります。だから私は貴女をここに呼んだんだ」
青年は続けて。
「そして貴女は魔法使いなんですよ、レアノさん」
??
「え、いや、さすがにそれは」
ない、そう言いかけた。
「分からないなら、ついてきてください」
そして私の手首を掴むと、ツカツカと歩きだしてしまった。