ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔法少女の世界−New World− ( No.9 )
- 日時: 2015/09/12 18:55
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: 2pyGwAzX)
「なぜなら、貴女は魔女の子だからです」
歩きながら、彼はそう言った。
でも私は、信じられなくて。
「いや、私の両親、いないし…」
言うのに、あまり抵抗はなかった。
生まれてすぐ孤児院の前に捨てられていたらしい。
顔も名前も知らない両親の事なんて、あまり考えたことはなかった。
するとザストが、口を開いた。
「死んだ君の母親と私は知り合いでした。だから、私は彼女に言われたんです」
「レアノを魔女にして、と」
それを聞いて私は、頭がグチャグチャになった。
「貴方、お母さんと知り合いなの!?お母さんは、もう、死んだの…?」
彼は少々間を置いてー
「はい」
そう言った。
たった二文字の言葉の筈なのに、どうしてかとても重い。
「…そう、ですか」
私は本当は、どこかで期待したんだ。
いつか、お母さんとお父さんに会えるって。
「じゃあ、私の、お、お父さんは」
彼は微笑んだ。
「会えますよ。いつか、時が来たら」
私は、パアッと明るい気持ちになった。
「早く会いたいな」
どこにいるの、とかいろいろ聞きたかったけど、ただこれだけ呟いた。
「てか、どこに行くの?」
私たちは、学校の廊下のような所を歩いていた。
「ある先生に、貴方が魔法使いだと証明してもらいに。あ、ちょうど着きました」
そこには、職員室と書かれたプラカードを掲げる部屋があった。
「バルシェ先生ー!いらっしゃいますかー?」
ひょいっと部屋を覗きながら彼が叫ぶと、一人の青年が返事をした。
「はいはーい?あれ、ザスト学長じゃないですか!と、そっちの彼女は?」
現れたその姿は、一言で言えば王子様。
青色のサラサラな髪に少々つり上がった目、細い身体にスーツ、そこにブーツを入れている。
顔立ちの方はそれは美しいものであり、微笑めば大抵の女子は恋に落ちるだろう。
「バルシェ先生、彼女を、調べてくれませんか」
…ん?調べる??
「え?ああ、この子を。分かりました」
そしてこっちを向くと。
「よし、じゃあさっそくやるね」
いや、微笑まれても。
調べるって何を!?
【お知らせ】
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