ダーク・ファンタジー小説

Re: king's royal palace ( No.9 )
日時: 2012/07/04 03:55
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: X..iyfAg)


やっと友美のいる号室へ着いた。

中にゆっくりと入っていった。

そうすると、友美は寝ている事がわかった。

僕は悲しくなり、
「おい!!!どうしたんだよ!!!」
と手を揺らしながら叫んだ。


そうすると、僕の叫びで起きたのか、
「うう・・・ん・・・・。」

一応生きてはいる事がわかって、とても嬉しかった。


だけど友美から聞こえたのは、衝撃的な発言だった。


「実はね・・、今まで秘密にしてたんだけど、私、余命宣告されてるの。」


僕は一瞬嘘だと思った程に、悲しかった。

「嘘だろ!?なあ!!」

友美は黙って首を横に振った。

「まさか・・・・嘘だ・・・・。」

そう云った時、医者や両親らが部屋に入ってきた。

「どうして・・・・ッ」

「どうして俺に余命宣告の事、黙ってたんだよ!!!」
僕は両親だという人に、力強く云った。

友美の母さんは、少し黙ってから云った、

「貴方がいつも家に来てくれているのを、友美は嬉しいんだよ?
そんな人に、せめて悲しませない様にするのが、あの子は最後の努めだと思って・・・。」


「・・・・・・。」
僕は今までの自分が恥ずかしかった。


—少しの沈黙の後、友美は、

「ごめん・・・みんな・・・。」
と最後の力を振り絞って云ったのだ。

両親は涙が出ていた。然して、俺もまた——。


「それとケンちゃん・・・。

「・・・・ありがとね・・・・・・。」


(ピ—————)


「15時48分。」

僕は其の医者の云った言葉を理解したくなかった。

「おい!?どうしたんだよ!?」



「友美————————!!!!」




気がつけば、雨があがっていた—。


外に出てみるとそこには、「桜」という綺麗なものが僕を迎えてくれた。



—それから何年も経った今でも、「桜」を見ると、

死んだ友美を想い出す。


あの思い出は、死んでも忘れない——。



             —END—