ダーク・ファンタジー小説

Re: トランプゲーム。 実.況.者 ( No.14 )
日時: 2015/10/15 18:45
名前: 泉 (ID: H9DI71mW)

〜スペード:4〜
裏返して置いてあるクラブのカード。
これを消さないともう生きられない。
この4人で遊ぶ事だって笑う事だって出来なくなる。
……そう思うと涙が溢れて来た。
「大丈夫やで、心配いらへんで。」
そう言って頭を撫でてくれるレトルト。
流石歳上だけある。
そうだ、ちゃんとしておかないと。
何時しか涙は止まっていた。
「コレ…消せば良いんだよな…。」
キヨが絶望した顔で呟く。
合うカードすらも無いのに、どうやって消せば良いんだ。
方法何て無いじゃないか。
ダイナマイトの残り時間はもう1分。
クリアするなんて無理に等しい状態だった。

その時だった。
「消せばええんや。」
声を発したのはレトルト。
手にはライターが握られていた。
「レトさん…!」
キヨも気付く。
「P-P、燃やすんや。俺らのカードじゃないから見る事出来ひん。P-Pがやるんや。」
目を見て言ってくれた。

残り時間10秒。
ダイナマイトのタイマーは止まり、
つわはすが居る箱には『クリア』の文字。
椅子のベルトは外れ、テーブルの上にある鍵で箱を開ける。
つわはすが泣きながら
「ありがとう…ありがとう……。」
と言う。
「レトさんのおかげ。ありがとうね、レトさん。」
レトルトの方を見ると、ニコッと笑いかけてくれた。
「レトさんよく思い付いたよね…?」
キヨが訊く。
「あれはつわはす君のおかげやで。あの時、つわはす君の声が頭ん中に響いたんや。『燃やせ』って。」
つまり…それは……。
「つわはす君が『鍵』って言うのはこういう事やったんやな。」
レトルトが嬉しそうにする。
「なんだ、結局全員の協力かぁw」
こうして、一回戦が終わった。