ダーク・ファンタジー小説

Re: トランプゲーム。 実.況.者 ( No.18 )
日時: 2015/10/30 20:15
名前: 泉 (ID: H9DI71mW)

〜クラブ:3〜
タスカッタ。
今はその事だけが頭をぐるぐる回っている。
正直、自分でも何が起こっていたのか分からない。
「何があった?教えて、つわはす君。」
キヨが心配そうに聞いて来た。
「俺…は、気が付いたら知らない部屋に居て。手足は拘束されててある程度しか動けなかったよ。それで、焦った俺は周りを見渡したんだ。そうしたら『招待状』を見付けてね。中を見たらクラブのAのカードが入ってて。そこから意識が無いんだよ。」
レトルトも尋ねて来る。
「箱の中にいた時の記憶とかはあるんか?」
「それなんだけど、何故か幽体離脱みたいになった。それでテーブルの下に『火』っていう文字を見付けて、レトさんに叫んだの。燃やせって。それで、後は皆と同じ。」
ありのままの事を伝えた。
キヨとレトルトはとにかく助かって良かった等と声を掛けてくれるが、
P-Pだけは浮かない顔をしている。
「ぴーちゃん?どうしたの?」
P-Pの肩を叩く。
「これさ……。終わらないよね。」
まさかの発言。
「終わらないって…どうして…?」
自分の声が震えているのが分かる。
P-Pは落ち着いて言った。
「スピーカーの音。あれ、一回戦って言ってた。多分、まだ続くと思う。」
よく見れば、P-Pだって泣きそうだ。
「何だよ……。俺らが何したって言うんだよ…。」
キヨもうつ向く。
レトルトは、何も言わないままだ。
[ハイ、泣いている暇は無いんですよ?]
あの声だ。
俺らを絶望のどん底に落とした張本人。
「まだ…やるの?」
スピーカーに問い掛ける。
[やりますよ?]
追い討ちをかける様な発言。
[じゃ、第二回戦!!二回戦目はブラックジャックをして貰いまーす!]
一人で喋り、直ぐに消えた。
何時になったら解放されるのだろう…?