ダーク・ファンタジー小説
- Re: アシナクシ。 ( No.5 )
- 日時: 2015/12/29 21:56
- 名前: 彩都 (ID: ET0e/DSO)
CHAPTER 3 詐欺師巫女の日曜日
日曜日、将人の部屋……
「んん……寝みぃ……もう朝か……」
将人は起きた……目を擦って、目やにを取る、何とか、目が覚めた様だ……将人はリビングに行き、誰も居ない家で、牛乳をがぶ飲みする。
そして、テレビを点ける……『アシナクシ』の話題が多い……まぁ、今の俺には関係無いけどさ……三芳と悠子以外は。
最近『アシナクシ』さんと同じ様な事件が起きていた……犯人は未だ見つかっていない……いや、幽霊だからだろうが……
そう思いながら、朝ご飯を食べる。
あっさりとした朝ご飯だった。
将人は近くの商店街に居た、すると、巫女服姿の貧乳巫女が詐欺をしていた。
「……」
「さぁ〜よってらっしゃい見てらっしゃい!このお札を買うと、自分の家の悪霊が全て消えます!本当だよ!一枚一万円!一万円よ!安いでしょお婆ちゃん!?」
お婆さんに向かって、ダサいデザインのお札(勿論、素人目から見て完全に偽物だった)を押し売りしていた……
「……えぇ〜……」
何この街……『アシナクシ』と言い、詐欺と言い……何なんだよ、この街は……?
そう思いながら、貧乳巫女が将人に気付いた。
「貴方、私のスタイルに惚れたわね?写真は一枚千円ね……」
貧乳巫女は将人の顔を見ると、段々青ざめていく……
「……貴方……『アシナクシ』さん、知ってる?」
その単語に少し後ずさる将人、そして頷く。
「やっぱり……ちょっと来て!」
そう言われて、貧乳巫女は荷物を回収、お札をお婆さんに手渡して、将人を喫茶店に連れて行った。
「何で君が『アシナクシ』を知っている?飲み物位は奢ってやるから」
すると貧乳巫女は言う。
「そりゃあ、アンタが『アシナクシ』に憑かれてるのよ……まぁ、少しだけだけど……」
そう言いながら、貧乳巫女は言う。
「そういや、名前聞いていなかったわね……私の名前は陰陽寺麻美子(おんみょうじまみこ)よ、貴方の名前は?」
「俺の名は、憩将人……」
そう言うと、麻美子は呼び捨てする。
「じゃあ、将人、何で『アシナクシ』に手を出した?」
そう言うと、将人は驚く。
「『アシナクシ』に手を出していない!」
そう言うと、麻美子は考える……
(可笑しい……確か『アシナクシ』は呼ばないといけない筈……一体何で……?まさか……将人に関わりがある人が……?でも、友達とか居なさそうな顔立ちだし……どうなんだろ……?)
そう思いながら、将人の悪い点を心の中で留める麻美子。
そして麻美子は言った。
「手を出していないのね……一応私は巫女をやっているの、見れば分かるけどね」
「確かにな、マミ公」
さり気なく酷い事を言う将人。
「それ、大学でも言われた」
「そうかそうk……大学!?」
将人は驚く。
「えっ?気付いていなかったの?言ったじゃん?」
麻美子は言う。
「陰陽寺麻美子、大学生よって」
「言ってねぇだろ、25行位前見ろ」
将人はツッコんだ。
「えらく、リアルな話ね……」
麻美子は言う。
「そうじゃなくて、『アシナクシ』について、何で手を出した話になってんだ?俺はそもそも手自体出してないぞ」
そう言う将人に驚く麻美子。
「あら、不思議ね……『アシナクシ』は呼ぶ系の幽霊なのに……」
それを言われて、将人は驚く。
「それは本当か!?」
いきなり立ち上がる、将人はまだ聞く。
「一体何なんだ!?『アシナクシ』とは、何だ!?答えろよ!?お前は陰陽師なんだろ!?少しは知らねぇのかよ!?なぁ、おい!?」
多問を一人に言って、麻美子はこんがらがる。
「あーもう、うっさいな!!」
そう言って、将人を引っ張って行く、そして、路地裏に移動させる。
「ハァハァ……何だよっ!?俺は真剣に……!?」
そのセリフを麻美子は遮る。
「私だって知りたいよ!でも、まだ分かんないんだよ!!目下検索中だボケ!」
頭を髪の毛と共に握られ、引っ張って、麻美子の顔に近付けさせられる。
段々と、将人も、落ち着いていく……そして、涙を出す……
「俺だって……俺だって……知り合いと、幼馴染みを殺されてんだ……不安にもなるんだよ……おまけに幼馴染みの母親は未だ行方不明だし……」
そう言いながら、将人は泣いていく、そして、麻美子は気になった事を言う。
「……そういや、将人、お前何年だ……?」
麻美子が聞く。
そして言う。
「中学三年……」
すると、麻美子は将人の頭を撫でる。
「それは……辛いな……中学生ってのは、多感な時期だもんな……人が死ぬ事は普通耐えられないもんな……でも、安心しろ……私が居るんだ……何時でも頼れよ……」
そう言って、名刺を貰う、名前、電話番号も書かれていた。
「何時でも連絡して来い、将人、お前を安心させちゃる」
麻美子はそう言って、路地裏から、消えた。
その名刺を握り、また泣いた……嬉しい様な……悲しい様な……よく分からない涙を……流しながら……
その後将人は家に帰った……新たな、傷を『アシナクシ』は作っていった……
将人はあまりにも疲れたので寝た、寝るとは、こんなに気持ち良かったのか?と思いながら寝る。
そして、翌日、学校でとんでもない事を知らされる……
CHAPTER 3 終了 CHAPTER 4 に続く……