ダーク・ファンタジー小説
- Re: アシナクシ。 ( No.7 )
- 日時: 2016/01/09 11:35
- 名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)
CHAPTER 5 麻美子推参!
「ふあぁ〜あ……今日も眠いな……」
そう呟きながら、将人は学校への通学路を歩む。
今日、『アシナクシ』が出て、驚いたが、今日は決して、悪い事をしに来た訳ではないので、不問にしておいた……自分の中だけだが……
(というか、『アシナクシ』さんの成り済ましなんて……よくそんな事するなぁ……)
そう思いながら、欠伸を一つ……すると、隣に女の子が寄っていた。
将人は少し横にずれた、自分が邪魔だと思ったからだ、だが、女の子が逆に将人に近付いた、一体何なんだ!?と思いながら、顔を見ると、麻美子だった。
「うわっ!?驚いた……居るなら、言って下さい……」
完全に焦って、言う将人に麻美子は不思議がる。
「どうしたの?何か、可笑しいわよ?」
……そりゃぁ……『アシナクシ』に出会ったから……何て言えない……そう思いながら、将人は言う。
「まぁ……エロい夢……見たんですよ……麻美子さんの……」
少し照れながら言う……真っ赤な嘘に麻美子は照れる、顔が真っ赤になる。
「なっ!?……やっぱり中三……そう言うのに……興味有るの……?」
話が逸れてきた……まぁ、適当に返した。
「まぁ……そうですね……女性には、多少の妄想を……」
まぁ、部屋の汚さは、桃園先生に教えてもらったが……まぁ、そんな事も言わずに、将人は聞く。
「ていうか、何で、付いて来ているんです?」
すると、麻美子は言った。
「いやぁ……うちの学校を祓ってくれって……あんたんとこの学校の教頭が……」
将人は『ふーん……』と思いながら、歩を進める。
すると、学校に着いた、そこで、将人は職員室に移動させて、自分は一人で、三年の教室に行った。
「ん〜……今日は人が少ない……」
そう思いながら、周りを見る、真喜屋や、悠子……三芳が死んだのだ……精神がやられる方が多いのだ……まぁ、此処に来ているのは、勉強を進めたい奴か、能天気な奴だけだろう……まぁ、俺はその両方でもないが……
一人で、つまらない事を考えて、テンションダウンする……
すると、先生が入ってきた、今日はまだ、集まる時間ではないだろうに……そう思っていると、先生は入れた……麻美子を……
二人は驚いた顔をする。
「なっ!?麻美子さん!?」
「あっ!?将人!?お前、此処のクラスだったか!?」
そのセリフに、周りのクラス数十人に先生は不思議がる。
「あの……陰陽寺先生……?私の生徒の憩に何か知っているんですか……?」
すると、急いで麻美子の口を塞ぐ将人。
「いやぁ〜、従姉妹なんですよ!ねぇ〜?」
すると、周りから、見えない所で将人は怖い顔で言う。
「あんた、少しは色々隠せよ?隠さなかったら、あんたが詐欺師って言うぞ?」
すると、麻美子が言った。
「……詐欺師って……まぁ……力弱いけどさぁ……分かったよ……」
そして、麻美子は営業スマイルに変わる。
「そうなんですよ〜、コイツ、昔っからやんちゃで……」
すると、先生が言う。
「そうなんですか〜、従姉妹ねぇ〜……」
完全に怪しい言い方の先生、まだバレてはいない……バレなきゃいいのだ……
そう将人は思いながら、麻美子を見る。
「え〜……とりあえず、私はこの教室や他の教室を視る事になった陰陽寺麻美子だ……今日はこの学校に居るから、気兼ねなく喋って良いぞー」
麻美子は適当な、挨拶をして、一枚のお札を取り出す……何て書いてあるか、分からなかった。
「本格的〜」
そう言いながら、手を叩く先生、信じてなかったのか……少しだけ、やる気を無くした麻美子だったが……いきなり驚く、背筋に何か流れたのだ、不思議に思いながら、紙に呪文を唱える。
「アマテラスの巫女よ……我の前に現れし……そして、この場所に悪が入らぬ様、護って下さい……そして、永遠に悪に負けぬ様……頑張って」
「最後砕けてる!?」
適当な麻美子の呪文に対し、将人はツッコむ。
全く……どんな呪文だよ……そう思いながら見る。
すると、突然、紙が破ける。
「!?何だ!?」
将人が言うと、,麻美子は言った……
「……気を付けろ……まさかな……此処に居たのか……『アシナクシ』を呼んだのは……道理でお前から感じたんだな……」
一人でブツブツ言う麻美子に少し引く将人。
すると、将人に麻美子は言った。
「『アシナクシ』の犯人が分かった……まぁ、正確には呼んだ……というのが近いな……」
その麻美子のセリフに将人は驚く、その内容を急かす。
「一体何なんだよ!?『アシナクシ』さんを呼んだのは!?」
大きく深呼吸をして、将人を指差して、言う。
「……それは……お前がとても親しい人だ、その親し過ぎるが故、お前が『アシナクシ』を呼んだ、と私が錯覚したんだろう……まぁ……思い出せよ……自分が関わっている人とかさぁ……?」
将人に止めを刺す、麻美子。
俺が関わっている人……?そんなの……裕子……三芳……真喜屋……そして、このクラスの人々……将人は周りのクラスの人を睨む。
すると、クラスの皆は、『俺じゃねぇよ……』『私でもないわ……』と言って、違う様だ……
だったら、誰なんだ……?将人に『謎』の重い二文字が圧し掛かった……
その頃、『アシナクシ』は……
とある山奥……どこかの洞窟に人が居た……
「おマえか……?わタシのなりスマし……」
すると、謎の人物は笑う。
「やっと来た……さぁ、此処に足が有ります……合いますか……?」
まるで、商人の様な言い方だった。
「どウイうコトだ……?おまエハなニがもクてキ……?」
すると、謎の人物は言う……
「簡単な事ですよ……『アシナクシ』様の肉体を元に戻す事です……!」
謎の人物は可笑しく笑う……その笑いは洞窟内に良く響いた……
CHAPTER 5 終了 CHAPTER 6 に続く……