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　男がどっからどう見ても『普通』に思えないのは、容姿のせいだけではないのだろう。彼は、極道の世界で名を轟かす、東馬会[トウマカイ]のNo.2、夜宮組の組長、夜宮 明里[ヤミヤ ミョウリ]である。

「＿＿お前は人間でさえあらへんがな」

　この世界を支配するのは２つの種族。人間と、人形[ドール]。
　明里に遠慮せず物を言う、美しい黒の髪を肩まで伸ばした、碧眼の彼女は、人間ではない。
　人間には到底得ることのできない能力を持ち、人間と契約することでそれを更なる力へと変える……人形なのだ。

　異例の若さで組長となった、夜宮 明里と彼女は、契約を結んでいる。目的は違えど、二人には特殊な繋がりがある。

　彼らの存在は、この世界の、大きな歪みとなっている＿＿

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