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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 錆びた刃と赤い蜘蛛【暴力表現有】 ( No.6 )
- 日時: 2016/01/04 12:09
- 名前: 吉田 網張 (ID: jV4BqHMK)
「でも、やっぱ絶対吐かせるんならあの人っスよー」
「でしょ? ほらほらミョーリ、今回に限ってはリューモンの方がお利口だよ」
「っスよねー! うっわ、ヤッター」
「喜ぶとこちゃうし……俺は行かへんからな!」
と、明里は怒鳴った。部屋中に響く大声。誰もが縮み上がるであろう迫力だ。
獅子のようなホウコウ__というのは大袈裟かもしれないが、理由が「嫌いな奴のトコに行きたくない」ではなかったら、さすが組長といっていいのだろう。
この部屋の近くにいた不幸な人間は、さぞ驚いたに違いない。
「はぁ……良いよ、竜門連れて私たちだけで行くから」
「まぁ怖いんなら仕方ないっスよねぇ」
我が儘な獅子の叫びにすっかり馴れた二人は、苦笑いを浮かべて出掛ける準備をはじめた。
「殺てるぞ竜門。俺のとこにアイツ連れてきよったら殺した後お前らも殺すで」
「殺す殺す殺す殺すうるっさいなー、語彙少なすぎでしょ。はい、じゃ行ってくるから」
「うっす組長行って来まーす」
この二人で行動することも実は時々ある。理由はおもに明里の我が儘で、行きたくない、面倒、アイツ嫌い等々…どうしても連れていかなくてはならない時は、強引に連れていって後に酷い目に会うこともある……竜門が。
そうして二人で出掛けることになったのは、車で30分程のところにある、教会。
ミサや結婚式をしたり、孤児を引き取ったり……一見普通のカトリック教会なのだが、三人の話のとおり、この夜宮組とは昔から関わりがある。全然ホワイトじゃない、裏はどす黒い教会だ。
「さぁ、行くか__獰猛な烏の巣に」
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