ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

「誰もいないんスかねー？」
「……さぁ」
　見たところ、早綾と竜門以外いないようだ。
「待機、しかないかな」
　早綾が、いつくるかわからない教会の関係者を待とうと決めた＿＿その時

「誰だ？　テメェら」

「……っ」
「うっわ！」
　首にシュッと当たる、鋭い風。斬られた空気の感覚に、不快な……恐怖にも近い感情を呼び起こす。
「あー、佐藤大地！」
　竜門がでたらめな名前を喋る。こういう時に躊躇わず偽名を使うあたり、アホでも極道の人間なんだな、と早綾は思う。
「佐藤……？　何処の人間だ」
　背後の男は、ドス、と、早綾の背中に足を突いた。
　竜門は、どうするか、と目で早綾に訴えた。
　およそ友好的じゃない、悪い会い方だ。竜門に頬の傷も隠させず、極道丸出しの格好で来させたのが間違いだったか、と今更な後悔をする。
「……夜宮組」
　今嘘をついても後々面倒だ。早綾はそう判断して名乗った。