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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 錆びた刃と赤い蜘蛛【暴力表現有】 ( No.9 )
- 日時: 2016/01/04 19:45
- 名前: 吉田 網張 (ID: jV4BqHMK)
「夜宮……? あぁ、明里んとこか。てことはその遣い?」
男はやっと早綾の背から足を離す。
「まぁ、そんなとこ」
「……っス」
実際は許可を得た位で、本人はまったく乗り気じゃないんだけどね、と早綾は胸の内に留める。
「……あぁ、こっち向いて良いぜ。アイツんとこなら話も聞かず追い返すわけにはいかねーからな」
その言葉に二人は従う。相手は二人のことを覚えていないようだが、こちらは分かる。こんなときに騙してどうこうするような人間ではない。
「あ? その傷、見覚えあるな」
振り向いたその先に居たのは、竜門程ではないが長身の……というか、脚が長い男。外はねで肩まである金髪に、薄暗い聖堂の中で不気味に輝く紫の目。
彼こそが、悪名高い夜宮明里に毛嫌いされている、この教会の司祭。
彼は、マル暴__つまり、警察庁四課のエリート警官を父親にもつ、本来ならば極道と両極端にいる人間だ。
「まぁお話なら部屋移そうぜ、昼飯出してやっからさ」
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