ダーク・ファンタジー小説

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 〜ウイルスの脅威〜 ( No.12 )
日時: 2016/03/17 19:19
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

痛みが治まると、俺はお風呂に向かった。
途中、母さんとすれ違ったが、何も言わず通り過ぎていった。
パジャマを持ち、お風呂場に向かった。
脱いだ服を雑にかごへ入れた。少しかごからはみ出ているが、気にせずお風呂に入った。

—ジャポンッ…………

勢い良く湯に飛び込んだ。
顔の筋肉が緩んだ。
何ともいえない感覚が全身に伝わり、体がとろけそうなほどリラックスできた。
数十分間、俺は全身が温まるまでお湯に浸かっていた。


—ガラガラー…………

全身が温まったところで、お風呂場をあとにした。
すると二階の僕の部屋から、

「ヒデキ!?いつゲームやってたの!?」

こんな声が聞こえた。
俺は危険察知をした。
そう、こう母さんが叫んだ時は、だいたい怒っている時だ。

—マズイ!!………

そう思っていると、母さんが一階に下りてくる音が聞こえた。言っちゃ悪いが、とても重そうな音だった。

階段の死角に身を潜めた。
俺の計画では、母さんが下りてきてリビングに入ったら、急いで二階に行く。そして、母さんが来たら言い訳をし何とか追い返す。こんな感じだ。
だが、一階は扉が一つではない。もしかしたら、俺の方に来るかもしれない。

俺はお風呂あがりで、汗を掻いていた。緊張していることも関係あると思うが。

とうとう、母さんが一階に着いた。

—今だ!!…………

そう思ったが、母さんが片手に持っていたのを見て、身動きが封じられた。
「こら!ヒデキ!!夜中はゲームをしちゃいかんって言ったでしょ!!守らなかったから、ゲーム没収!!明後日には返すから、前みたいに奪い取っていくんじゃないよ!!いいね!?」
俺は母さんの話を黙って聞いていた。

—最悪だ…………

夜中にゲームをやっていたことに対してではなく、電源をつけっぱなしにしことを後悔した。
母さんも話していたが、家のルールでは[夜中(午後九時〜)はゲームはやってはいけない]ことになている。
そんなルールを聞いても、守るつもりもなく、ただ、ふーんと思っているだけだったが。
今の時刻は、午後十時五十五分だった。お風呂には数十分しか入ってないし、何も言い訳ができなかった。

俺は仕方なくベットに向かい、夢の世界に引き込まれていった。