ダーク・ファンタジー小説

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 〜ウイルスの脅威〜 ( No.13 )
日時: 2016/10/16 17:31
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

—チリリリリリリーン…………

清々しい空気に包まれた早朝に、目覚まし時計の音が鳴り響いた。
目覚ましを止め、俺は起き上がった。カーテンを開け、全身が朝日に包まれた。
思わず目を細めた。しばらく、朝日を眺めていた。
目が慣れてきたところで、電気をつけた。そして机に向かう。机の引き出しを開け、ある物を取り出した。

これは数ヶ月前に買っておいた、没収された時用のゲーム機だ。近くのリサイクルショップで、普通の価格の半分ぐらいで買えた中古品だ。今までは使ったことがなかったが、とうとう役に立つ時がきたようだ。
電源を入れる。
そのとたんに、画面からブルーライトの眩しい光が発せられた。慣れた手つきで画面を進めていった。

—レディー…………ファイトッッ!!!!

何回聞いたか覚えていないほど、この音を聞いた気がする。
だがこのゲーム機は、まだ一度も使っていないので、没収されたのと同じではなく、キャラクターが全てそろっていない。
そのため、ストーリーを進めて、もう一度キャラクターをあつめる必要がある。この面倒くさい作業を、数日で終わらせた覚えもあるが。
しかし、明後日までにはできそうにないので、今あるキャラクターで頑張ろうと考えていた。

ストーリーの最初の方は基本が多いので、すぐにクリアできそうだった。問題はその後だ。
クリアして進めていくと、だんだん相手が強くなっていく。それがものすごく面倒な作業だった。

そんなのは後にして、今あるキャラでいいからレイに勝てるよう頑張らないと。

俺は手に全身の神経を集中し、一秒たりとも集中力を切らさなかった。そうしているから、学校で眠くなるんだろう。
そう思ってもいた。
詳しく言うと、学校の授業では、午後の授業のほとんどは寝て過ごしている。そのことが、成績にも影響していると自分でも分かっていた。
寝ようとしているわけではないが、知らない間に寝ていることが多い。
午後は睡眠時間だ、と勝手に思っていた。


「ヒデキー!!起きてる!?」

ゲームをして優雅な時間を過ごしていると、一階から母さんの声が聞こえた。もう、朝ごはんの時間のようだ。
ゲームを終わらせ、机の引き出しに忍ばせておいた。もちろん、母さんにばれないようにするためだ。

とうとう休日が終わって、学校が始まってしまうようだ…………。

気持ちが暗くなりながらも、一階に下りて行った。