ダーク・ファンタジー小説

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 〜ウイルスの脅威〜 ( No.14 )
日時: 2016/10/16 17:37
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

朝食を終わらせ、学校に行く準備をした。
自分の部屋で連絡帳を見て時間割を確認し、教科書を出し入れした。

[今日の時間割]
《国語、英語、体育、道徳、理科、社会》

今日はこんな感じだ。
体育があることは嬉しいが、その他の五教科が最悪だった。五教科がない日はないが、それらはもの凄く面倒な授業だった。何というか、五教科は勉強という勉強をしなければならない—それが嫌で仕方がなかった。

学校でも嫌なことから逃げたい性格は変わらないようだ。

リュックを背負い、一階に向かった。
「いってきまーす…………」
重々しい空気を漂わせながら、リビングに向かってそう言った。
「いってらっしゃーい。気をつけてねー」
母さんがそう返事をしてくれた。

重たいドアノブを捻った。
勢い良く扉を飛び出し、朝の新鮮な空気を吸い込んだ。
すばやく足を動かし、軽快に学校へ向かった。これは、友達に会った時にツッコミを入れてもらうためだ。
俺はクラスの中でもボケをして誰かにツッコミを入れてもらっている。
そして、笑いを取る。
俺たちのコンビネーションは完璧と言っていいだろう。

いろいろと考えている内に、学校に着いていた。
俺たちが通っているのは南島中学校というところだ。その名の通り、島の南の方にある中学校だ。
この中学校は、全生徒で六百人ぐらいいて、かなりの人数がいる。その五分の一が不良で、五十分の一ぐらいが不登校だ。その他の生徒は個性はあるが普通の中学生だ。

俺はこの中学校のおかげで、毎日を楽しく過ごしている。そのことに関しては感謝している。

俺は下駄箱に行き、靴を履き替えていた。
「ヒデキー!おはよう!」
そう言ってくれたのはハルトだった。ハルトも同じクラスでたまに話した記憶がある。
この子の特徴はなんといっても理科が好きなことだった。他の教科では寝ているが、理科の授業だけは起きていて挙手や質問をしたりする。しかも、ユウジのように理科だけ順位が一桁だ。
「おう!ハルト!おはよう!」
そう、返事をすると、
「今日は理科ってあった?」
早速、質問をしてきた。
「おう……ええっと………俺がいつも寝ている五時間目にあるぜ」
決めポーズをしながらそう言った。

「おっし!それは最高だーー!!!!」

テンションが上がったのか階段に向かって走り出していった。たとえて言えば、小さい子供がはじめて水族館に行ってはしゃいでいる時のようだった。
そんな彼を目で追いながら、俺も階段を上がっていった。