ダーク・ファンタジー小説

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 〜ウイルスの脅威〜 ( No.16 )
日時: 2016/10/16 17:45
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺は席に着き、授業が始まるのを待っていた。
一時間目は国語だった。五教科の中ではまあまあ得意な方だった、しかも、先生がゆるい感じなので特に抵抗感は無かった。

—ガラガラー…………

チャイムが鳴って、数分が経つと国語の先生が教室に入ってきた。国語の先生は秋里先生だ。秋里先生は女の先生で三年四組の先生だ。第一印象は怖そうだったが、人は見た目で判断するのはいけないことだ、ということをこの時に知らされた。

始業式が終わり、秋里先生の授業の時が来た。授業の前は心配が大きく、友達と囁きあっていた。
だが授業が始まると、もの凄くほのぼのとした人だと分かった。
声がなまっていて、怒っても怖さがまったく感じれなかった。


「は〜い。授業始めるよ〜。学代の人号令お願いします」

そう秋里先生が言うと、
「起立!」
学代のケイスケが号令をかけた。ケイスケは、今年初めて同じクラスになり、時々話したりしている。クラスでは主にツッコミを担当している。
「お願いします!」
ケイスケに続けて、俺もそう言った。
だがこう言えるのは午前の授業だけだ。午後は眠気に負けて、ぼーっとしてしまう。そうなると、声さえも出せなくなってしまう。
「着席!」
席が床に擦れ、大きく重なった音が響いた。
「はい。今日は文法を勉強していこうと思います。では、教科書の236ページを開いてください。236ページの…うっ!!!…………」
先生が不意に声をあげ、頭を抱え込んだ。その時、俺には赤く光ったように見えた。
俺は先生が気になり、隣の席のユウカに声をかけた。
「なあ……先生どうしたんだ?……」
「分からないよ。でも、先生大丈夫かなあ……」
ユウカは俺と同じ班で、この班の班長だ。とてもしっかりしていて、少し大人びて見える。さらに女子の学級代表で、成績も俺とは桁違いだった。

「………やっぱり、違う所を勉強します……」

しばらくすると、先生はそう言って「教科書を閉じて」と指示し、先生の雑談が始まった。秋里先生にしては珍しい行為だった。

俺は不審と思いながらも授業を受けていった。