ダーク・ファンタジー小説

Re: 危機を免れた一人の少年の物語 【参照200に感謝!】 ( No.19 )
日時: 2016/10/16 18:02
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)

俺はお母さんの「ご飯だよー!」と言う声で起き上がった。
だが、リビングに行くのが怖くて仕方がなかった。
べつにあの事件予告を全て信じているわけではない。でも今までに起きた不可解な出来事を思い出すと、身震いが止まらなくなってしまう。先生のことは特に気にしていないが、お母さんの行動とNZUKSの言ったことが一致していて疑おうにも疑えない状況だった。

——きっと気のせいだっ!!………きっと気のせいだっ!!……………

そう自分に言い聞かせ、深呼吸をして階段を下りて行った。
その下りている足は安定せず、途中転び落ちそうになったが何とか踏ん張った。
階段を下り終わり一階に着いた。
扉のドアノブに手をかける。こんな緊張したのは初めてだった。
さらにここでも深呼吸し、ドアノブを捻った。
「あーヒデキ。ご飯そこに置いてあるから食べてね」
ドアの開く音とともに、お母さんがそう言った。
その言葉に全身の力が抜けた。

—どうやらまだ完全に洗脳されてないらしい

そう俺は思った。
俺は安心して、ご飯に食らいついた。
だがいつもと違い、手の震えが絶えなかった。実際はまだ安心仕切れてないらしい。
手の震えが止まらず、何回かご飯を落としてしまった。動揺してることを悟られないようになんとかごまかした。
食べている間に少しづつ緊張が和らいでいき、残りのご飯を早々と食べていった。


食事を終わらせ、二階へと戻っていった。
今の俺の居場所は俺の部屋しかなかった。
逃げるように自分の部屋へと向かった。まだ少し緊張していて体がカクカクとしか動かなかった。
扉を勢い良く開け、すぐに扉を閉めた。
俺はベットに飛び込んだ。
ゲームをせずすぐにベットに飛び込んだことは初めてのだった。自分でも初体験のことが続けて起こり、精神的にかなり不安定だった。

—俺はどうなっちまったんだ!?いつもの俺はどこにいったんだ!?

そう、心の中で思う。
俺は家の中でも食事の時は毎回のようにふざけて、笑いをとっていた。
だが、今日の俺は違った。
ふざける余裕がなく、緊張感が絶えなかった。お母さんのことが気になり、俯きながら何度見ただろうか?緊張や恐怖が続き、お母さんの様子をうかがった回数が多かった—それぐらいしか覚えていなかった。
今日の食事では何も喋らず、無言の時間が続いていた。俺はただひたすらはしを動かし、気持ちを落ち着けようと必死だった。

そんなことをした俺が、情けなく、悔しかった。

今でも心臓の鼓動が聞こえ、緊張が続いていた。
俺は感情を抑えきれず、拳をベットに叩きつけていた。