ダーク・ファンタジー小説
- Re: 危機を免れた一人の少年の物語 ( No.3 )
- 日時: 2016/03/01 06:19
- 名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)
【第一話:事件予告】
「うわああ!!!また負けちゃったよ…………」
そう叫んだのは俺だった。
俺は秀輝(以下ヒデキ)だ。たいした特徴は無く、普通の中学生だ。自称、健全で純粋な心を持っていると、自信を持って言うことができる。最近は、とある格闘ゲームにハマっていて、今も澪(以下レイ)と勇二(以下ユウジ)と集まっては対戦をしている。その中でも、レイがダントツで強い。レイに勝つためにも、毎日練習に励んでいる。
レイは俺の同級生で、ユウジと同じぐらい仲が良い。彼はいつも冷静さを保っていて、勉強もかなりできる方だ。勉強は全体的にできていて、勉強の分からない所はよく教えてもらっている。俺がボケるとよくツッコミをして、笑いを巻き起こすことが多い。だが、こんな彼でもアニメの話を持ち込むと、テンションが上がり盛り上がっていく。レイはこんな人だ。
ユウジも同じく同級生で仲が良い。彼はツコッミやボケもして、かなりのオールラウンドなポジションだ。ユウジの特徴としてはたまに壊れることがある。僕たちには分からない"ツボ"があるらしく、ツボに嵌まるとなかなか抜けなくなってしまう。そして、笑い続けて壊れてしまう。そんな彼だが、勉強面は違い、数学が飛びぬけて成績が良い。数学だけは順位が一桁で、分からない所はもの凄く分かりやすく説明してくれる。ユウジはこんな人だ。
そんな二人とは正反対で、俺には特徴が何も無いと思う。飛びぬけて成績が良い教科も無く、ゲームも上手いわけでもない。自分だけ、何もとりえが無いように思える。そんな自分が生まれてきて、憎悪を感じたことが何度もあった。
だが、俺たちは受験生だ。今はゲームよりも勉強が優先だろう。
そう言い訳をしてきたものの、ゲームを止めることはできなかった。ゲームの中毒性には不思議な力を感じている。それを、人間が作ったと思うと、その賢さに驚かされる。
今はこんなことをしている暇は無い。自己紹介はこれぐらいにして、今は対戦に集中しないと。
今はゲーム王のレイと対戦中だ。一秒たりとも気を抜くと、あっという間に負けてしまう。そんなことを言っても、勝てたことは無いが。
「ああー!!惜しい!!」
俺とユウジはそう言った。
俺たちは何としても、レイに勝つため作戦を練っている。まあ、チームみたいなものだろう。
「ホント強えーな………どうやったらそんな強くなれるんだ??」
ユウジはこう尋ねた。
「ゲームで負けても気にすることは無いよ。将来や生死に関わることではないから」
レイは冷静にそう言った。(←※ダジャレではないですよー!!)
「いや、もしかしたらショック死してしまうかもしれない…………」
ふざけてそう言うと、
「何を言っているんだ。ゲームの中ではもう死んでるだろ。ショック死かは分からないけどね」
思わず笑ってしまった。
レイのツッコミはたまに滑るが、彼の言うことは心から笑うことができる。
そんな彼も一面も憧れの存在だった。