ダーク・ファンタジー小説

危機を免れた一人の少年の物語 ( No.52 )
日時: 2016/12/01 19:07
名前: ブルーオーガー (ID: o4cexdZf)


【第三話:かすかな記憶】

肌寒さを感じ、俺は目を覚ました。
ずっと同じ姿勢でいたため体がかなり硬くなっていて、動かそうとすると軽い痛みが走った。

—俺は何をしていたんだっけ?

ふとそう思った。
眠い目をこすり、記憶をたどっていった。

—俺は確か教室で不気味な光景を見てそのあとトイレに逃げてきて—

そこまで思い出したところで、わずかな記憶が脳内に映し出される。


—目の前にある大きな機械…機械を操作する作業員…邪悪なオーラがその機械から出ている……


—どこを見ても暗闇の世界…何か不思議な感じだ…だんだんと意識が薄れていく……


実際にはこんなことをした覚えはないが、わずかに記憶が残っていた。

自分でも不思議に思った。

俺は夢でも見ていたのだろうか?
夢でなかったら俺はどこかがおかしくなってしまっているんだろう。その根拠に俺は一昨日の時から何か不思議な体験ばかりしてきている。もしかしたら俺はその時から何かがおかしくなっているのだろうか?
その可能性も否定できなかった。

身体が柔らかくなったところで、便器から立ち上がった。
思いっきり体を反らす。体中の骨がボキボキと鳴った。
天井を見ながら思う。

—俺はこれからどうすればいいんだろう?

不安という言葉でしか今の自分を表せなかった。