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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.22 )
- 日時: 2016/04/23 06:04
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
Anather Episode 藍那 夏織 Ⅱ
高校3年になってから1度だけ、奏音ちゃんがやってきた。
校門の前でみたーと言うのをクラスのオトモダチが教えてくれた。
最初は何とも思わなかった。「へー、やっときたんだ」って言う感じで。
数分前に校門にいたなら今教室にいるのかな。なんて考えると自然と楽しみになってきた。
【 今度は絶対に泣かせてあげたい 】
・
一度教室に行ったけど奏音ちゃんの姿が見れなくって残念な思いをして探しに玄関の方まで行った。
それでも居なくって悲しい思いをしながら教室に戻ろうとしたとき…
「あれ…ノン、ちゃん…?」
私の声を聞いた瞬間に動いていた奏音ちゃんの足が止まる。何で居るの。みたいな顔をしながら私を見ている。
「あ、やっぱりノンちゃんだー。覚えてる?」
ヘラヘラとした笑顔を顔に貼り付け奏音ちゃんに近づく。
ねぇ、貴方が大っ嫌いな顔を見るってどんな気分?昔の記憶が蘇ってきて悲しい? 泣く?泣く?
「私だよ、かお…」
「知らない」
もぅ。名前っ位は言わせてよ。そしてその俯いている顔をあげて私の前で泣いて見せて?
いくら思ったって泣いてくれなくって少し落ち込んだ声が私の口から零れ落ちる。
「え…?」
「貴方の事なんて知りませんので。さようなら」
そう言って彼女は私の前から去って行く。
「さようなら。私の友人【だった】人」
泣いてくれないあなたは嫌い。そもそも泣かない人の存在意義なんて私の中にはない。
だからあの子も私の中での存在意義などない。価値のない人間って言う事。
Anather Episode 藍那 夏織_fin
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