ダーク・ファンタジー小説

Re: 怖い恐い話 ( No.1 )
日時: 2017/03/10 00:15
名前: 兎妬 (ID: 2XDHCgd7)

『しいちゃん』

 私の家にはしいちゃんという人形がある。しいちゃんは、茶色のテディベアで水色のリボンを首に付けている。しいちゃんは、私が小学生の時に今は亡きおばあちゃんに買ってもらった。私もしいちゃんと同じ色のリボンを手首につけて、毎日お話ししていた。
 私には、小さいころから霊感が人よりも強くしっかり見えてしまうことがたびたびあった。だから、巫女さんであるおばあちゃんが私を守ってくれていたのだが、おばあちゃんはある日突然自分の死期を感じて私にこの「しいちゃん」をくれた。しいちゃんをもらった次の日におばあちゃんは死んでしまい、しいちゃんだけが私を守ってくれた。しいちゃんのおかげで霊はみえるものの、憑りつかれたりなどはなかった。
 そんな私も高校生になった。おばあちゃんが死んでからずいぶん経ったけど、いまだに憑りつかれたり襲われたことは無い。けど、最近よく夢を見る。夢では、小さな女の子がいてこっちを見て微笑んでいた。何も言わずにただ微笑んでいた。こちらがなにか声をかけても「大丈夫だよ」しか言わない、とても不思議な子だ。あれはしいちゃんだ、そうはっきりとわかる理由は小さいころからずっと一緒に付けてきた水色のリボンを首に付けているからだ。夢の中でも私を心配していてくれるらしい。でも、今の私にはどうしても微笑んで大丈夫としか言わないしいちゃんがとても『怖かった』。恐ろしいのだ、ずっと笑い続けて同じことしかいわないしいちゃんは、まるでゲームのキャラクターのように同じ場所に立ち続けている。
そしてある日、私は友人に誘われて「ひとりかくれんぼ」を自宅でやることになった。丁度、その日は両親が仕事で帰りが翌日になっていた。深夜に私の家に集まり、私と友達とで準備を進めていく。ネットで調べたものだけど、いろんな動画をみてこのサイトのやり方でたくさんの心霊現象が起きていた。手順をすすめて、早速開始した。二人で離れるのは危険と判断し、二人で同じ場所に隠れた。息をひそめ、じっとする。すると、水のぴちょぴちょという音が聞こえ、背筋に寒気が走る。突然、壁をドンドン!と叩く音が聞こえた。私も友達も驚き、互いに身を寄せる。でも、それ以上の音や怪奇現象は起こらず、ネットに書いてあった二時間を過ぎてしまいそうになったので終わる手順を書いてあった通りに進めて終わらせた。
 その夜、しいちゃんはいつものようにでてきた。しかし、その時はいつもの微笑みがなかった。うつむいて、何も言わなかった。ひとりかくれんぼをして怒っているのかと聞くと、また大丈夫しか言わなかった。本当に大丈夫なのだろうか、不安になりつつもその日は疲れて眠ってしまった。
それからというもの、ただ道を歩いてるだけで視線を感じるようになり、それが生きている人の視線ではないことはわかった。ひとりかくれんぼをしてからというもの、霊関係で体調を崩したり視線を感じるようになったりした。しいちゃんが怒って守ってくれなくなったのだろうか、あの日から夢にも出てこなくなってしまった。
 しばらくして、私も大学生になり家に帰るのが遅くなっていた。ただ、視線はずっと消えず、度々体調不良にもなっていた。やはり、しいちゃんがひとりかくれんぼをしたことに怒っているのだろうか。そんなことを考えていたら、いつの間にか疲れて寝てしまっていた。その日、久々にしいちゃんが夢に出てきてくれた。でも、今までのように笑っておらず、とても悲しい顔をしていてた。そして、私に初めて問いかけた。

   「どうして私を鬼にしたの?」




この物語はフィクションであり、自作の作品です。

初めましての方は初めまして、兎妬ととです。前の時から大分間が開いてしまいました汗実は、私が使っているパソコンの充電するさし口が少し壊れてしまい、触れずじまいでした。とても書きたかったんですけどね、やっと使えるようになりました。(と、言っても今回のは四時間前に思いついたのを書いただけなのですが笑)
解説?的なものを言わせていただきますと、主人公がこのしいちゃんという人形をひとりかくれんぼで使う霊をいれる器にしてしまったんです。はらわたを切り裂き、中身を出して赤い糸で縫ったんでしょうねぇ。幽霊は怖いものとして認識されていますが、本当に怖いのは自分をずっと守ってくれた人形を切り裂き、最後は燃やしてしまう人間なのかもしれませんね〜
では、今回はここまで。あ、ないかもしれませんが感想などがありましたらコメントくださるとうれしいです笑(例 面白かった、もっと怖くていい、怖さが少なすぎてくs(((殴。など笑)お待ちしております。

では、最後まで読んでくれてありがとうございました。