ダーク・ファンタジー小説

Re: 怖い恐い話 ( No.25 )
日時: 2017/07/14 17:05
名前: 兎妬 (ID: 2XDHCgd7)

『お前のせいだ』


夏、私はおばあちゃんの家に遊びに行きました。私のおばあちゃんはとても怖い話が上手で、夏に遊びに行く度に苦手だけれどよく聞きました。その夏もおばあちゃんに話を聞かせてとねだりました。

「じゃあ、おばあちゃんが体験した話を聞かせてあげる」

昔、私はよく友達とかごめかごめをして遊んでいたの。私が子供の時代はゲーム機とかそんなものはなかったの。それでね、かごめかごめだけじゃお面白くないから私たちも、罰ゲームみたいに負けたら何かをするっていうのをやっていたの。それで、その時は近所に有名な廃墟があったから負けたら一人で行くっていうのをやっていたわ。

「かーごめ、かーごーめ、かーごのなーかのとーりーは、いーつーいーつでーやーるーよーあーけーのーばーんーにー、つーるとかーめがすーべったー
うしろのしょーめんだーあれ」

「あーあ、はずれちゃった」

その時、廃墟に行くことになったのはさとこちゃんっていう子なの。さとこちゃんは、少し怖がりだけど廃墟でもずんずん進んでいく子だったの。だから、少しだけ怖がっていたけれどでもどんどん中に入っていったわ。私たちは、廃墟の前で待っていたのだけれど夕方になっても帰ってこなくて、中に迎えに行こうかと思っていたの。そしたら、中からいきなりさとこちゃんが走ってきたの。出てきたさとこちゃんの顔は物凄く怯えていて、身体がとても震えていたわ。何を見たか聞いても何も答えてくれなかったの。ただ、ずっとあることだけ呟いていたの。

「私は悪くない、私は悪くない、私悪くない」

そして三日後、さとこちゃんは行方不明になってしまったわ。警察にも言ったのに、いくら探しても見つからなかったわ。でも、しばらくしてあの時遊んでいた私たちで集まって、さとこちゃんがいなくなった原因に心当たりが出てきたの。それが、あの廃墟。思えばあの廃墟に行ってから、さとこちゃんの様子は変わっていってしまった。ずっと何かに怯えていて、何かに憑りつかれたようだった。私たちは勇気を振り絞って、廃墟に行ったわ。
とても怖かったわ、でも皆で一生懸命さとこちゃんを探したわ。そして廃墟の奥の部屋、とても静かだった。それがすごく怖くて、皆で手を繋いで入ったわ。そしたらそこに、さとこちゃんがいたわ。

「え?さとこちゃん生きてたの?」

「いいや、いきていなかったよ」

「でもいるって…」

「そう、いたの」

「じゃあ、どうやっていたの?」


「天井の骨組みのところに、首を吊って死んでいたわ。何故か風が吹いてさとこちゃんの顔が見えたわ、とっても腐敗していたよ」


「だからって…なんでこんなところ来るのよ〜、翠」

私は、あの話を聞き居ても立っても居られなくなり実際に廃墟に来てしまった。さすがに一人は怖かったので、友達も連れてきた。しかしおばあちゃんが子供の頃にあったのに、まだ残っていた。古びていて、いかにも出そうな雰囲気だった。
恐がってる友達を引き連れつつ、廃墟に足を踏み入れた。中はとても寒くて、夏とは思えない気温だ。廃墟は木造で出来ていて、足を踏み出す度にぎしぎしと音がしていた。けれど、特に心霊現象が起きるわけもなく私たちは、奥へ奥へと進んでいった。そして、一番奥の部屋に足を踏み入れようとした。

すると、いきなり背後に気配がした。振り返ってみると、小さな女の子が立っていた。私たちは悲鳴を上げて逃げた、逃げている途中ではぐれてしまい私は一人になってしまった。勢いで入った部屋の隅に縮こまり、震えていた。
しばらくして、部屋のドアが開いた。そこから女の子が出てきて、段々私の方に近づいてきた。私の目の前に立ち、私をまっすぐ見つめていた。そしてゆっくり口を開き、ニコッと笑い私にこう言ってきた。

「お前のせいだ」

何度も何度もお前のせいだとまるで拷問のように連呼された。私はそれに恐怖し、無意識のうちに私は悪くないと、あの話のさとこちゃんのように言っていた。


「どうしよう、お母さん。あの子出かけたきり帰ってこないの」

「どこにいったの?」

「それが、翠の友達に聞いたらお母さんが言っていた廃墟に行ったらしいのよ。怖くなってはぐれちゃったから急いで戻って探したんだけれど、どこにも翠がいないの」

「…?あの廃墟に行ったの?」

「うん、どうかしたの?」

「おかしいね…あの廃墟」


「もう、何年も前に取り壊されたはずなんだけどねぇ」






「次のニュースです。×日から行方不明になっていた○○翠さんが、昨夜遺体で発見されました。遺体には首に縄で締め付けられた痕が見られ、死因は窒息によるものとみられます。
当時、翠さんがいた場所は辺りに民家もなく人も通らなかったとのことです。警察は、自殺とみて捜査を進めるそうです」


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんわ、兎妬です。書いてから思ったのが、こちらの方が前より怖かったかな?みたいに思ってしまい、なんとも言えない兎妬です。こういうホラー小説を書いてるとき、明らかに無音はとても書きづらいです。なので、私は心霊スポットに行く動画とかをよく聞きながら書いています。怖いBGMを聞くのもいいですが、それだけではなんか寂しいんですよね。怖いBGMがかかっていて、かつ人の怖がっている声だととても小説が書きやすいんですよね。不思議(ドSとかじゃないです苦笑)
今回はいつもより短めになりましたが、少々読みやすかったでしょうか?読みやすかったら幸いです。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。