ダーク・ファンタジー小説

Re: 怖い恐い話 ( No.27 )
日時: 2017/08/30 20:44
名前: 兎妬 (ID: 2XDHCgd7)

『誰のせい?』

私はみんなが大好き。お父さんにお母さんに妹のまぁちゃん、みんな仲良しで大好き。いつも笑顔で笑ってて、こういうの幸せっていうんだってお母さんが教えてくれた。毎日寝るときは、お母さんが絵本を読んでくれて、お休みの日はお父さんが一緒に遊んでくれる。まぁちゃんは「お姉ちゃん大好き」って言ってくれる、この毎日が幸せなんだってお母さんは笑ってた。お父さんはお母さんに、いつまでも幸せでいたいなって言ってた。私も続くといいなって、思ってた。なのに…。
私は、お友だちと夕方まで遊んでておうちに帰るのが遅かった。夕方のチャイムが鳴って、お友だちにばいばいしておうちに帰った。玄関の扉を開けて、「ただいまぁ」って大きな声で言った。玄関で靴を脱いで、手洗いうがいをした。いつもお母さんにしなさいって言われてたから。リビングに行くと、お母さんもお父さんもいなかった。出かけてるのかなって思って、玄関を見たけど二人のいつもはいてる靴が置いてあった。おかしいなって思ったら、二階から足音がした。まぁちゃんがいるんだと思ったけど、まぁちゃんならすぐ降りてくるはずだった。でも、まぁちゃんは降りてこなかった。だから、まぁちゃんじゃないって思った。私は、ゆっくり階段をのぼった。何故か階段を、一段一段上る度に心臓がバクバクなった。二階にはお父さんとお母さんがいるはずなのに、何故か怖くてたまらなかった。まるで、ほかの誰かがいるみたいでとても怖かった。二階に上がり、まぁちゃんの部屋に行くと信じられない物が目に入ってきた。
部屋は真っ赤だった、紅い液体が水たまりを作っててその真ん中にお父さんがいた。私はお父さんに駆け寄り、何度もお父さんと叫んだ。お父さんの体は冷たくなってて、部屋を見渡すと隅にまぁちゃんもいた。まぁちゃんはいつも、白いワンピースを着ていた。そのワンピースも紅く染まっていて、まぁちゃんは紅いワンピースを着て倒れていた。まぁちゃんに駆け寄ると、まぁちゃんはまだ息をしていて痛いと呟いていた。お母さんを呼ばなきゃ、そう思って私は家の中を駆け回りお母さんを探した。すると、お母さんは一階のリビングに倒れていた。お母さんも、お腹が赤くなったいた。お母さんに話しかけると、お母さんは目をゆっくり開けて私に小さく囁いた。

「懐中電灯…それを持っている人に近づいちゃダメ。この家に、まだいるかもしれないから逃げて。逃げて、近くのお巡りさんの所に行きなさい」

懐中電灯、それを持っている奴がお父さんやお母さんにまぁちゃん、みんなを傷つけたんだ。許さない、でもお母さんにはお巡りさんに行きなさいと言われた。だから、大人しく家を出て交番に行こうと思った。その時、お母さんが叫んだ。

「早く逃げなさい!!!」

足音が聞こえ、後ろを振り向いた。懐中電灯のまぶしい光とお母さんのやめてという叫び声を最後に、私は倒れた。しばらくして目が覚めると、お腹の痛みを感じた。今までに感じたことのない痛みで、私の目からは涙が出てきた。後ろを何とか振り返ると、お母さんがいて私を抱きしめた。抱きしめてくれたお母さんの体は、熱くて手が震えていた。ごめんねと謝っていた。お母さん謝らないで、お母さんのせいじゃないよ。じゃあ、こうなったのは誰のせい?私たち、何もしてないのになんでこうなったの。懐中電灯…そうだ、懐中電灯を持った人のせいだ。許せない、私たちは幸せだったのにあいつのせいでこうなった。許せない、許せないと思いながら私はお母さんの胸の中で死んだ。
あれから何年経ったのだろう、死んでからも私だけはこの家にずっといる。成仏できなくて、要するに地縛霊となった。幼かった私は、見た目は変わらないが歳をとっていた。そして、幽霊だけどこの家の本を何故か読むことができた。幽霊になっても、物は触れるようだった。あれから私は、ずっとこの家にいる。心残りなのは、あの懐中電灯をもった犯人。でも、顔は見えなかった。だから、この家に来た懐中電灯を持っているやつは一人残らず逃がさなかった。それでも見つからない、私の家族を幸せを奪った奴が。私はあいつが見つかるまで、この家にいる。見つけて謝らして、そしたらみんなのところに行くんだ。

ある怖いうわさがあった。なんでも、ある一家が空き巣に襲われたらい。その家にいた家族は、みんな昼寝をしていたそう。空き巣が、家があまりにも静かだったので家族が留守と勘違いしたらしい。そしたら、案の定家族が起きて空き巣犯はパニックになり、家にいた家族を殺してしまった。その後、友達と遊んでいた娘が帰宅、その娘も殺されたらしい。何年かして、空き巣犯は捕まったらしいが事件があった家では不可解なことが起きるようになったらしい。事件の後もその家は、残って廃墟になったもんだから学生やらが肝試しにくるようになったんだ。するとおかしなことが起きた、肝試しに来た学生はその家で死んでしまったらしい。運良く逃げた者も、私は悪くないと呟き続けて最後には自殺してしまうとのこと。そんなことがあってから、ますます肝試しに来る人が後を絶たなくなった。でも不思議なことに、昼間行ったものはなんともなく帰ってきた。肝試しに行き、殺された人々は決まって夜に来ていたものばかりだった。その後、肝試しに行き亡くなった者たちの共通点がわかった。それが懐中電灯だ。夜に行って逃げ帰った者で、生き残った者たちが数名いた。その者たちは、全員が共通して懐中電灯を所持していた。ただ途中で落としてしまい、そのまま逃げかえってきたという。
それからというもの、あの廃墟には懐中電灯を持っていくと呪われるという噂になった。しかし、何年してあの廃墟は取り壊しになった。事件から何年も経っていて、しかも多くの死人が出ていたものだからさすがにお国の耳に入ったらしい。でも、それだけで終わりじゃなかったんだ。怖い噂は残ったものの、取り壊しになったことはあまり知らされなかった。だから、取り壊しになったのを知らずにその後も、肝試しに来る者が後を絶たなかった。そして、事件は起きた。ある時、一人の少女がその家があった場所に友人と肝試しに来た。すると、おかしなことに肝試しに来た少女はあの家があった場所で絞殺された遺体として発見された。その後、少女の友人曰く何故か来たときは家があったという。取り壊された家に入り、そこで幽霊を見たという。しかも、その時亡くなった少女は懐中電灯を持っていた。一緒にいた友人は途中で懐中電灯を落としてしまったらしい。何故、あの家が取り壊されたはずなのに彼女たちは家に入ることができたのか。亡くなった少女は誰に殺されたのか、さすがの警察も犯人が見つからずこの事件は闇に葬られたとか。もしかしたら、今もまだ最初の事件の被害者の家族…無残にも殺されてしまった娘が、幸せを奪った犯人を今でも探してるかも。懐中電灯を持った者を見つけては、「お前のせいだ」と叫び続けているのかもしれない。


この物語はフィクションです、また自作の作品です。

こんばんわ、どうも兎妬です。今回は比較的短い物語になったかと思いきや、そうでもありませんでした。わかる方はわかると思いますが、わからない方のために説明を少し入れます。この物語は、以前上げた「お前のせいだ」のサイドストーリーのようなものです。もしこの作品から読み始めた方は、是非以前上げた「お前のせいだ」という作品を読んで下さいませ。そうすると、話の内容が入ってきやすいかもしれません。私は、お話を上げる際にそれを読んだだけでは解釈が足りないような作品を上げます。そういった作品を上げているときは、いずれサイドストーリーが上がると思っていただけると幸いです。そして、この作品を上げるにあたって少し心配事があります。それは、多少グロ表現が入ったことです。一応直接的な表現を入れずに書いたのですが、もしかしたら運営様に指摘されてしまうのではないかとひやひやしております。おそらく、規定上は大丈夫なはずです。まぁ、何かあった際、臨機応変に対応したいと思います。
それでは、ここまで読んで下さりありがとうございました。