ダーク・ファンタジー小説

Re: 生まれてくれて、ありがとう ( No.21 )
日時: 2017/06/15 20:11
名前: 白雪姫 (ID: CXVRcwYu)

「…カ…ハルカ?ダイジョーブ?」

「…サキ…ちゃん?」

「ハルカ、ダイジョーブ?なんで…。」

あぁ、俺はまたぼーっとしてたらしい。にしても視界が歪んでるなぁ。
なんでこんな…

ポタッ

「あれ?また雨が降り出したのかな。」

「ハルカ…ねェ、なんでナイてるの?なにかアッタ?」

(泣い、てる?俺が?)

春香はそっと頬に手を伸ばすと、そこは確かに濡れていた。

「ははっ。ごめんね、サキちゃん。買い物はまた今度でいい?」

「アッ、うん、ダイジョーブだよ。…ねェハルカ「今日はちょっと調子が悪いみたい。もう帰ろっか。」……ワカった。カエロっか。」

何故か今日は彼女のことばかり考える。
なんで、今更…。

「……」

「サキちゃん、ごめんね。また明日行こっか。」

「…ねェ、ハルカ。サキ、死神だっていったよネ。」

「うん。それがどうかした?」

「サキはね、ハルカをたすけるタメにここにきたの。」

「うん。言ってたね。」

「だからネ、ハルカをきずつけるモノを、サキはユルサナイ。」

急にどうしたんだろう?サキちゃんは。
でも、そんな風に言ってくれるのは嬉しいかな。

「ありがとう。そんなこと言ってくれて。」

「ねェハルカ。」

「どうしたの?」

「ゼーンブサキにまかせてネ。ハルカはなぁんにもシンパイしないで。」

「ははっ。ありがとう。」

心強いね。でも、サキちゃんはなんでそんなことを言うんだろう?
どこから来て、何をするために生まれたんだろう?
死神……

「うん♪じゃぁカエロッカ。」

「え?あ、そうだね。帰ったらお昼かな〜。」

「ハルカ!オムライスたべたい!」

「オムライス?りょーかい。作ってあげる。」

オムライス好きなのかな?てか、オムライスは知ってるんだ。

「ワーイ!アリガトッハルカ。」

「ん、どういたしまして。」

さぁ、卵はあったし、ウィンナー…は、ないからハムでいっか。
オムライス作るの久しぶりだなぁ。




「…春香……。」




「……絶対に、守るから…。」



黒に包まれた少女の呟きは、誰にも聞かれず空に消えた。