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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 転生⇔魔法少女 ※閲覧注意 ( No.57 )
- 日時: 2017/06/25 13:05
- 名前: 萌夏 ◆IrmWJHGPjM (ID: oS7lpet2)
その瞬間、フッと
周囲のざわめきが消える。
いや…止まっている。
食堂で騒いでいた他の生徒も、
外でさえずっていた鳥の声も
全て。
「詩織ちゃん…驚いた?」
綾の声に続いて千里が言う。
「これが私の魔法…『時間停止』。
周囲の時間を自由に止められて…
私が触れるとその人の魔法も
解けて、動けるようになる」
見ると、千里の左手首には
淡いピンクに発光する二本のラインが
少し浮いて巻き付いている。
「…凄い」
魔法のことだけじゃなかった。
「まさか、クラスは違えど
同じ学年に二人も魔法少女がいたなんて…」
綾は、はぁーっと息を吐いて
懐かしそうに言った。
「私も最初はビックリしたよー、
千里ちゃんは私より先に
魔法少女になってたしね」
「う…ん、まあ。1ヵ月も
経ってない頃だったけど…
で、でも…詩織さんが増えて、
その、良かった…というか、
何というか…」
言いながら自信が無くなって
きたのか、千里の声が萎んでいく。
まあ、そりゃそうだ。
だって、私も死んだから今、魔法少女な訳で。
でも…
「私は嬉しいよ。
死んじゃったとはいっても、
今のところプラスばっかりだし。
…多分、二人ともほとんど関わりが
無いままだったと思うから…」
「…なんかそういうの照れくさいよ」
そう言って吹き出したのは
綾だったけど、千里と私も
つられて笑い合った。
「…じゃあ、よろしくね、詩織ちゃん」
「うん!…よろしく」
また素敵な友達が増えたと思って
ちょっと嬉しかった。
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