ダーク・ファンタジー小説

Re: クズに償いを ( No.1 )
日時: 2017/05/18 19:28
名前: わらびもち (ID: kgjUD18D)

〜一話:クズな教師に償いを〜
 
 物心つく前から俺は、虐待を受け続けた。
 殴る蹴る等は、まだマシで、煙草の火の押し付けや、真夏の車内に二時間放置させられたりなど、死にかけることもよくあった。
 俺がまだ幼い頃。いつの日か忘れたが、母が家を出たきり帰ってこなくなった。派手な服と化粧を身にまとい出て行ったのを覚えている。父は、母が出て行ってから一週間後くらいの時に、知らない女を連れてきた。その女もやがては、俺に暴力を振るうようになった。俺は、知らない誰かに暴力を振るわれるのが初めてで、凄く怖かったのを今でも鮮明に覚えている。それから、どれくらい経っただろうか。父も女と家を出たきり帰ってこなくなった。独りの夜。寂しいとは微塵も思わなかった。
 それから数か月間。まだ幼いながらも独りで暮らした。親が隠していたへそくりを何とかやりくりし、暮らしたが当然の如く限界が来た。金が底をつき、食料も無くなった。そして、もう死のうかと考えたその時、母方の祖母が俺を迎えに来た。

 重い曇天が空を覆う。近くの高校に入学して一日目の朝。今日から早速授業が始まる。
 「行ってきます」
 「はい。行ってらっしゃい」
 幸せそうに笑うばあちゃん。俺は、そんなばあちゃんに微笑むと傘を手に家を出た。
 高校は、歩いて十分のところにあるごく普通の高校だ。俺は、校門を潜ると、教室へと向かい自分の席へと座る。知らない人が殆どで、どこか緊張感が教室内を包んでいる。
 「おっす」
 頬杖をつき、暇をしていると、チャラそうな男が声をかけてきた。まぁ実際チャラいのだが。
 「なんだよリツキ」
 「早速、可愛い女の子から連絡先を交換してきたぜ!」
 「あっそ」
 自慢気にそう話すリツキ。そこそこのイケメンで密かに女の子の間から人気がある。大人しくしてればもっとモテルと思うのだが。
 そんなリツキを呆れながら見てると、教師が扉を開け入って来た。
 「起立」
 最初の授業なので教師が号令をかける。その合図で皆が一斉に立ち上がり、リツキも急いで自分の席へと戻る。
 「礼」
 制服の擦れる音が教室内に鳴った。

 昼休憩。弁当となるや否や、リツキが椅子と弁当を手にこちらに駆け込んできた。
 「一緒に食べようぜ!」
 「女の子と食べないのか?」
 「女の子とより、お前との方が数倍楽しいって!」
 「なんか嬉しくねえな」
 「ひっでー!」
 リツキは、少し不満気にしながら俺の机に弁当を広げる。
 俺も、ばあちゃんが作ってくれた弁当を広げる。
 「そういえば昨日、女の子からこんなメールがきたんだよ」
 「ん?」
 リツキがスマホを見せてくる。
 画面に映し出されていたのは、リツキとメグミという女の子とのチャットだった。なんでも教師にレ○プされ、中出しまでされたそうだ。女の子は、教師に裸の写真や、性行為中の動画を撮られ、警察に言えばこれをばら撒くと脅され、何もできない状態だという。因みにこれをネタに何回か無理矢理犯されているとのこと。
 「ひっでーよなぁこれ」
 「うん」
 「こんなクズさっさと死ねばいいのにな」
 「そうだな」
 俺は、リツキの言葉に相槌を打ちながら卵焼きを口に運ぶ。
 そして、今日のターゲットを決めたのだった。

 放課後、リツキと別れた後、俺はレ○プ事件のあった学校へと足を運んだ。県内では有名な私立高校で、何人もの優秀な人材を世に送り出している。
 まず校門を潜ると、受付へと向かいその数学教師の居場所を教えてもらう。
 「すみません。足立先生は、只今出張中でして。十九時くらいにこちらに帰って来られると思います」
 「はい。分かりました」
 受付の若い女の人に礼を言い、一先ず自宅へと戻る。

 「ただいま」
 「おかえり。今日は部活なかったの?」
 「うん、今日は休み。あ、今日このあと友達と飯食べにいくから」
 「そう。楽しんでいらっしゃい」
 「うん」
 ばあちゃんの笑顔に癒されながら自分の部屋へと向かう。
 そして、今夜の計画の為の道具をリュックへと詰め込み、十八時。
 家を出た。

 十九時二十四分。一台の白い車が学校へと入っていった。
 ターゲットの足立だ。
 俺は、近くの学校が見えるカフェから出ると、素早くリュックからスタンガンを取り出しポケットの中に入れる。足立が校内へと入っていくのを確認すると、教師用の駐車場へと入り、足立の車にあるメモ用紙を張り付ける。そして、再び学校を後にしたのだった。
 十八時三十分。
 例の場所で、俺は身を隠していた。
 場所は、とある小さなラブホテルの一室。俺は、足立の車に貼ったメモ用紙に、ここに来るようメグミ名義で書いていたのだ。リツキとメグミとのチャットを昼休憩の時、詳しく見せてもらった。そこには、足立との連絡方法や、プレイの詳細など事細かく書かれていた。足立との連絡方法は、一枚のメモ用紙だ。少しでも犯罪に関する情報を消したいのだろう。今回は、その方法を利用した。恐らく彼女からの連絡は初めてだと思うが、足立は浮足立ってやってくるだろう。
 そして、身を隠してから十分後、足立が室内に入って来た。
 「やっほーメグミちゃん。まさか君から連絡が来るとは思わなかったよ」
 クソッタレな笑顔を見せながら奥へと進んでくる足立。
 俺は、スタンガンを握りしめると、ベッド下から静かに這い出し、足立の背後へと立った。
 「残念でした。愛しのメグミちゃんは、いませんよ」
 「え?」
 足立が、顔をこちらに向けようとした瞬間、スタンガンを首筋に当て電流を放ったのだった。
 
 「ん・・・うん・・・?」
 足立の目が覚める。
 「お、やっと目が覚めましたか」
 俺は、読んでいた小説を閉じると机の上に置き、足立の横へと向かう。
 「ここは・・・君は・・・」
 「初めまして、変態さん」
 ニッコリと笑う俺。
 足立は、すぐに異変に気付き立ち上がろうとする。しかし、手足がロープで頑丈に括られ身動きが出来ない。
 「変態さんには、お似合いの格好ですね」
 俺は、笑いながらスマホで写真を撮る。
 その写真には、手足をベッドの四隅に括られ全裸で仰向けになった足立の滑稽な姿があった。まるで、水黽が逆さまになった様である。
 「っく!君!こんなことしてどうなるか分かってるのか!」
 「その言葉、特大ブーメランですね」
 思わず吹き出す。
 「俺、知ってますよ?あなたがメグミさんをレ○プしたの」
 「なっ!」 
 「メグミさんは、あなたのせいで、心も身体も傷つきました。それは、一生消える事のない傷です」
 「くそ!解け!今すぐ縄を解け!」
 「そう。だからあなたは、一生を持ってメグミさんに罪を償わなければなりません」
 ロープから手足を抜こうと暴れる足立。そんな足立を尻目に俺は、リュックから一つのナイフを取り出した。
 「な、なにをする気だ・・・」
 「話を聞いていなかったのですか?あなたは、一生を持ってメグミさんに罪を償わなければならないのです」
 「やめろ・・・やめてくれ・・・!」
 「メグミさんの今の年齢は、十七歳。日本の女性の平均寿命は八十六歳。そこからメグミさんは、あと六十九年生きると仮定しましょう」
 俺は、笑顔を絶やさず足立の顔の横へと移動する。足立は、更にロープを解こうと強く暴れる。
 「あなたは、一生を持って罪を償わなければなりません。なので、これから六十九回。あなたの身体を切り裂きます」
 「嘘だろ・・・」
 「では、まず一回目」
 「やめ・・・」
 足立の言葉も聞かず、ナイフを素早く腹の中らへんへと振り下ろす。
 「っつ・・・!」
 一筋の線が腹に入り、血が脇腹へと流れていく。
 「二回目」
 「頼む・・・やめて・・・」
 今度は腹の上あたりを切る。
 「っつあ・・・!」
 足立が苦痛の表情を浮かべる。鋭い痛みが彼を襲っているだろう。しかし、その痛みは数を重ねるごとに強くなる。
 「三回目」
 「嫌だ・・・や・・・」
 次は、腹の下あたり。
 「っああ!」
 初めての苦痛の叫び声。
 足立の拳が抗うように力強く握りしめられる。
 「四回目」
 「やめてくれ!お願い・・・」
 足立の言葉を待たずして四本目の傷が脇腹へと入る。
 「ああああ!」
 身体をくねらせる足立。
 血が、ベッドのシーツに広がっていく。
 「五回目」
 右胸に。
 「六回目」
 左胸に。
 「七回目」
 胸の真ん中に。
 赤く染まっていく足立の身体。その度に、痛みは膨れ上がっていく。
 「八回目」
 また腹に。
 「ああああああああああああああああ!」
 遂にエビぞりになる足立。ベッドがギシギシと軋む。
 「九回目」
 「頼む・・・許して・・・」
 今度も腹に。
 「ああああああ!あああああああああああああああああああああ!」
 
 ——「六十八回目」
 振り下ろしたナイフが真っ赤な腹を切り裂く。
 「あがっ!ぐぁああああああああああああああああああ!」
 足立の悲鳴が室内に響き渡る。血だらけの身体をのけぞらし、血しぶきを上げる。
 「六十九回目」
 最後の一振りが腹の上あたりを切り裂く。
 「っぐあああああああああああああああ!っかああぁぁああ!」
 真っ赤になった身体が何度目かのエビぞりをする。血だらけの身体は、遠くからでは傷が確認できない。俺は、足立の身体に顔を寄せ、傷を確認する。無数の細い線が身体を刻んでおり、中には傷と傷とが重なっていた。
 「さて。あなたは、今、自分の身体にメグミさんの六十九年の人生を刻みました」
 「やめてくれ・・・もう許してくれ・・・」
 涙と鼻水でグシャグシャになった顔をこちらに向ける足立。あの柔和な顔付きは、今では面影もない。
 「許すか許さないかは、メグミさん次第ですよ」
 俺は、そういうと、またリュックの元へと向かい今度は少し大きなハサミを取り出した。
 「やだ・・・やめてくれ・・・!今度は何をする気だ!」
 悲鳴に近い声が室内に響く。俺は、そんな足立に微笑むと足立の腰の横へと立った。
 「無事、償った次は、罰を与えないとなりません」
 「何を・・・」
 「メグミさんを傷つけたモノに罰を・・・ね?」
 俺は、そう言うと足立のイチモツへと手を触れた。因みに、手には手袋をしている。
 「嘘だろ・・・やだ!やめてくれ!」
 何をされるのか察したのか、身体の痛みを気にせず暴れる足立。しかし、俺は、足立のイチモツの先端を掴むと、冷静に動き回るイチモツの根元をハサミを広げ、刃の中へと入れた。
 「やだ!やだあああああああああ!やめてくれ!お願いだ!」
 「悪いモノは排除しないとね」
 ジャキッ。
 渾身の力で、二つの刃に挟まれたイチモツは容易く断たれた。
 「っくああああああああああああぁあああああああ!ああ!っがあああああああああああああああああああ!」
 またもやエビぞりになる足立。イチモツの切断面から血がドバドバと流れ、尿がチョロチョロとシーツを汚していく。
 「痛い!痛い痛い痛い!ああああああああああ!」
 俺は、苦痛の叫びを上げる足立を背に、リツキにあるメッセージを送った。すると、数分後、そのメッセージに対する答えが返って来た。因みに、その間も足立は想像を絶する痛みに声を上げていた。
 俺は、暴れる足立の顔の真横へと立つ。
 「変態さん。今、メグミさんにある質問をしました」
 「ぐあぁぁぁあ!っがっぎああああああああああああ!」
 「あなたの事を許せるかと。答えは、一生許せない、でした」
 「ああぁぁああああ!っぎああああああああああ!」
 「もうあなたに生きる資格は、ありません。その命を持って、罪を償ってください」
 俺は、ナイフを手に取ると、足立の手首を切り裂いた。
 そして、苦痛に暴れ、血をまき散らす足立を背に、部屋を後にしたのだった。