ダーク・ファンタジー小説

カラミティ・ハーツ 心の魔物 Ep18 一つの不安 ( No.21 )
日時: 2017/08/10 11:40
名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)

【誤ってデータ消えたー!
 うわああああああああん!】

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「極北の町、フロイラインには。日の沈まぬ夜と日の昇らぬ朝があるらしい」

 あの後。急がなければと宿を出た。
 そこでアーヴェイがした話。
「え? おかしいよ。日の沈まぬ夜と日の昇らぬ朝? お伽話の類じゃないの」
「それが事実らしいよ。前にリュークが、精霊からそんな話を聞いたって」
 フェロンがそれに割り込んだ。
「話によると、フロイラインだけでなく、極北と呼ばれる地域なら、どこにだってあることらしい。天使と悪魔、そうなんだろう?」
「……好きで悪魔に生まれたわけじゃないがな、傷痕。ああ、そう言う話だ。しかし、フロイラインは伝承と伝説の国……。具体的な場所はわからないんだ。だから」
「傷痕呼ばわりはやめてほしいけど。つまり、北を目指してればいいってこと?」
「曖昧で悪かったな?」
「誰もそんなこと言ってないよ」
 フェロンは苦笑いを返した。
 話を聞いて、リクシアはふーんと思う。
「でも、そこ、実在するの?」
 空気が、一瞬、固まった。
 フィオルが弱気な声で言う。
「実在するかはわからないんだ。でも……手掛かりは、ここしかないから。ここ以外で、魔物が人間に戻った話は聞かないから」
 仕方ないのさ、と呟いた。
「溺れる者はわらをもつかむ。……期待掛けて、すまなかったね」
「いえいえ、そんな」
 ……実在するかもわからない町、か。
 そんなものを目指して旅する。
 グラエキアは、もっと確実な目的を、持っているのに。
「不利、よねぇ……」
 ため息をついた。
 
  ◆

「……まだ、目覚めないのね」
 グラエキアは、眠るエルヴァインを見て、小さくつぶやいた。
「生き残ったなら戦いなさい。いつまで眠っている気なの」
 剣の貫通した腹の傷は、グラエキアがしっかり手当てした。
 眠ったままのその顔は、苦しそうでもあった。
「もっとほかに生き残っていたらよかったけど……無理な話か」
 嫌われ者のエルヴァインと、戦争を厭ったグラエキア。
 王族ならば本来、戦争の場にいなくてはならないのに。
 この二人は、国外にいたために、「大災厄」を免れた。
(まぁ、これで生き残ってたって、それはつまり、臆病者ってことよね。そんな仲間は、いらないわ、ね)
 彼女は天を、振り仰いだ。
「……今、こうしている間にも。あの魔物は、きっと人を殺している……」
 それを正すのが、私たちの正義だ。
「夢は見ない。見るのはただ、現実だけよ」
 あの少女と私たち。どっちが早いかしら。
「どっちにしろ、道はわかれた」
 呟いて、エルヴァインの顔を見た。
「……いい加減、目覚めてくれるかな……?」

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 うわあああああん! 1000文字以上書いたデータが消えたー! バックアップも取ってなーい!
 泣きそうな気分の藍蓮です。うわああああん! 折角、グラエキアの場面とか書いたのに! 一気にパアになって、しばらくは立ち直れませぬ。
 ……次回作にご期待下さい。