ダーク・ファンタジー小説
- カラミティ・ハーツ 心の魔物 Ep46 反戦と戦乱 ( No.50 )
- 日時: 2017/09/03 19:06
- 名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)
プロット建築完了!
はい、エンディングが決まりましたので、もうスランプはなくなるかと。
一日ぶりに再開します。
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「……という話だ」
拠点に帰りつき、アルヴァトは魔物にはなっていなかったみんなにそう話した。
今は、エルヴァインとグラエキア、リクシアにフェロンはぶっ倒れてベッド行きなので、状況を話せるのは彼くらいしかいない。ちなみにリューノスもダルキアスも魔物は殲滅できたようで、今は戻ってきている。
「……大変だったんッスねぇ」
しみじみとダルキアスがつぶやいた。
そりゃそうだよとアリオンが返す。
「俺、マジでビビったんだからなぁ! みんながみんな、魔物になったって、勘違いして! で、そのままアルヴァトも死んじまうのかなって恐怖して! もう、あんなのこりごりだってば!」
「……どうしてそんなに、憎まれる」
リューノスがぽつりとつぶやいた。
「僕ら……戦争に反対してるだけ……。それって、そんなに悪いこと?」
国にとっては悪いのでしょうよと、クルールは返答した。
「あの国は、戦争が生きがいみたいな国でございますから。反戦勢力が増えると国の思想に支障をきたし、国がまとまらなくなるのでは? だから、我々を執拗に攻撃した、と」
「とりあえず救出は完了した。僕は責任を果たしたからな」
これで貸し借り無しだ、とアルヴァトは言った。
「とりあえず、みんなが目覚めるのを、気長に待とうか」
◆
暖かいベッド。穏やかな日差し。
ボロボロのリクシアは目を覚ます。
「痛ったぁ……」
その身体は手当てされてはいるが、完治には程遠い。
虚ろな記憶をぼんやりとたどるが、何が何だか思い出せない。
どうやら自分は、大きな部屋に幾つもあるベッドの、一つに寝かされているらしいと、なんとなくわかった。
少し離れたベッドが、むくりと動いた。
そこにいた人影は起き上がると歩いて行き、リクシアのベッドに近づいた。
「起きたか?」
青い髪。藍色の瞳。宿す闇。
エルヴァインだ。
「……エルヴァイン……。探したんだよ……?」
「それで、罠に嵌められたんだ。体調が大丈夫なら、話してもいい。僕がぶっ倒れていたのは……まぁ、闇を呼んだ後遺症だ。一晩も寝てれば苦しみは引くし、そろそろグライアも起きるだろう」
「色々……あったんだ」
「まず、語らなければならないのは、アルヴァトのことだ」
「アルヴァト……?」
エルヴァインは、語り始める。
自分とアルヴァトとの二度目の出会いと、そこから始まった悪夢の罠と——。
そしてリクシアは、戦争がはじまったことを、知るのだった。
◆
バルチェスター、王宮——。
「申し上げます! ラヴァン砦が落とされました!」
「申し上げます! セルヴィス将軍が討ち取られました!」
「申し上げます! ……」
戦況は、思ったよりも芳しくないようだ。
バルチェスター王エルーフェンは、さてどうしようかと首をかしげる。
隣に控える宰相に問うた。
「そう言えば、確かウィンチェバルが滅びた時、そこから逃げ出してきた人たちがいたんだっけか」
「そう言った話を聞きますが……?」
「で、ウィンチェバルは優れた魔法大国。魔導士部隊とか、いたよね」
「何をおっしゃって——?」
「それだ」
彼は、のんびりしすぎたうつけ者の仮面を剥ぎ取って、冷酷に言った。
「全軍に通達。今から、ウィンチェバル人を発見次第、強引にわが軍に引き入れよ。滅びた国だ、遠慮はいらない。彼らの持てる力を最大限に利用し、我が国の勝利につなげよ」
……戦は、アロームの町にまで、迫っていた。
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一日ぶりにこんにちは(((殴)、藍蓮です。
Ep39以降、本来のプロットにない予定を書いて勝手に暴走したがためにスランプにはまり、更新スペースがダウンしました。勝手な理由ですね、申し訳ないことです(謝罪)m(-.-)m
とりあえず。長すぎるので、前の話を区切りとして、ローヴァンディア編は二章に分けます。ちなみに物語の全体構成は十章を予定しているので、もう後半戦に入っています。
ようやく軌道に戻れた! ここからはまたまた急展開、藍蓮の得意技が炸裂します(たぶん……)
救出成功したと思うもつかの間、迫る新たな動乱の予感!
この戦争の、行く末は——?
次の話に、請うご期待!!
【町の名前、アロームなのにヴィーカって書き間違えてた……!
そこは滅びた町だから!
訂正しましたですハイ。】