ダーク・ファンタジー小説
- カラミティ・ハーツ 心の魔物 Ep49 嵐の予感 ( No.53 )
- 日時: 2017/09/07 20:40
- 名前: 流沢藍蓮 (ID: GfAStKpr)
更新遅れてすみません。リアルが忙しかったのです。
なのになぜ、「夜明けの演者」は更新されているのかって?
それは……こっちで50話目に派手にやらかそうと思っていたのですが、そのつなぎの49話目がなかなか浮かばなくてですね……。今回短めなのはそのせいですハイ。
来週の月曜日から、本格的にとりかかることになりそうです。
学校で文化祭があるんですよ……。ご勘弁を。
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——場所はローヴァンディア王宮。
「アロン、失敗したと?」
ローヴァンディア王ヴォルラスの詰問に、暗赤色の髪の男は冷や汗を浮かべる。
アロン。暗赤色の髪の男。ヴォルラスの腹心。
この男こそ、これまでリクシア達を苦しめてきた、魔物使いの男である。
ヴォルラスは、男を睨みつけた。
「『反戦部隊』を壊滅させられなかっただけでなく、魔物部隊の一部も失ったと申すか! ええ? アロンよ! ……魔物の操り方はもうわかっておるのだ。ゆえにそなたに罰を与えても。わが方が被る被害は僅か……」
王は、何かを思案しているようだった。アロンは気が気でなかった。
やがて、彼は言う。
「余は、これより貴殿を指揮官の地位から外し、一般兵士として戦闘に臨むように申しつける。反論は許さん! それと」
彼はアロンに近づいて行き、その首に提げられていた何かを奪った。
それは、笛のようにも見えた。
「貴殿よりこれを取り上げる。よって、もう貴殿は魔物を操ることができぬ。これが打ち洩らした罰である。異論はないな!」
……反論、できるわけもない。
今回の事件の非は、全てアロンにあったから。
下された罰はあまりに重いが。否と言えようはずもなく。
「……承知、致しました」
彼は静かに部屋を辞す。
その先で絶望に囚われて。
彼が魔物化することを。
——王は、予期していたのだろうか——
その次の日、魔物部隊に新たな魔物が加えられた。
その魔物の毛は、暗赤色をしていた——。
◆
「行こうか、兄さん」
「……もう、大丈夫なのか?」
「天使は回復力が強いんだよ。その血が半分しか流れていなくたって……僕はもう、大丈夫さ」
極北の地。
花の都のあったところ。
残った三色天使と半天使と半悪魔のお陰で、そこは二カ月の間に復興しつつあった。
フィオルは、言う。
「みんな、待ってる。そろそろ、行かなきゃ」
失われた翼は、少しずつ再び生えてきて。
まだうまく飛べるほどではないけれど。いつかは再び、飛べるようになるだろう。
「行くのか」
ヴァンツァーが、声をかけた。
「生憎と。俺たちは当分ここを離れられないからな……。ついて行ってやれないのが残念だが」
「大丈夫さ。僕ら、これまでずっと。二人きりでやってきたんだから」
笑って、アーヴェイに手を伸ばす。
アーヴェイはその手をしっかりと握り、柔らかく微笑んだ。
「オレたちの休息は長すぎた。向こうに行ったあの砂糖菓子が、どうなっているのか気になり始めたころだしな」
リクシアのことを砂糖菓子とアーヴェイは揶揄した。
その言葉を聞いて、吹き出したラーヴェル。
「本人に言ってやれよ……くくくっ、ぷぷっ! 砂糖菓子! 言い得て妙だぜ!」
「さびしくなるのです〜」
リリエルが、少し悲しそうな顔をした。
「でも、私たち、ここで待ってますから! 戻し旅? それが無事に終わったら、またここに来て下さいよ〜。復活した町で歓迎するのです〜!」
「ああ、絶対に、戻ってくるさ」
言って、前に差し出したアーヴェイの異形の手を。
三人の天使が、それぞれ握る。
フィオルもその手を差し出した。
「絶対に」
こうしてそちらも別れていく。胸に新たな希望を燃やして。
しかし彼らは、知らなかった。
——とうの昔に、戦乱は始まっていることを。
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ハイどーもお久しぶりです藍蓮です。
更新遅れてすみませんね〜。何が「一日一話」じゃ。二日も更新遅れました。殴ってくれても構いません。内容浮かばなかったのですよぅ。
次はいよいよ50話目。「カラミティ・ハーツ」も長かった……。
次はおそらく、短くても4000文字越えます。プロットがあります。フラグとか言わないでください。しっかり回収する気があります。
ただし……。それだけの量を書くには、それなりに余裕がいるわけで。
更新遅れたらすみませんが、まあ、気長にお待ちください……。
ご精読、ありがとうございました。
次の話に、請うご期待!