ダーク・ファンタジー小説
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.16 )
- 日時: 2017/08/30 12:41
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
第2章 皇帝の野望を知れ
6話 反乱軍のお偉いさん
緑の国を出た俺達。
今回の旅の目的は、帝国を止めること。
少しでも情報を得るために反乱軍のアジトへ向かった。
「有効活用って感じだよね」
「私たちからすると嬉しいけど」
反乱軍のアジトの場所は、俺達のいた孤児院だ。
俺達も知らなかったが、孤児院はもともと反乱軍のアジトであり地下室で色々とやっていたらしい。
「ん? お帰り〜 みなさん」
入り口には少女が立っていた。
「ジェシィだ〜! 大きくなったね〜」
「フレイヤちゃん!久しぶり」
少女はジェシィ・ティークという。
15歳という年齢に合わないほどしっかり者だ。姉とは違って。
「そういえば、ジュリィは?」
「旅に出たよ。でもどーせギャンブルを楽しんでそうだけど」
「そうか、なら会えるかもな」
「そうだね。じゃ、お偉いさんにあいに行きますか」
7年たった今でも孤児院はあのままだった。
本棚の本はそこらじゅうに落ち、荒れていた。
地下室への扉は開かれていた。
ジェシィの案内を得て、ついにお偉いさんに会う。
「私、会ったことないんだよな〜」
「確かに、長年軍にいるのにな」
「ん?レオンもミントも?」
「フレイヤは?」
「私は軍に入ってないからわからないや…」
どうやらみんな知らないようだ。
「みんな知ってる人ですよ。では、どうぞ。」
ノックしたが声はしない。
ならば無理やり入って見る。
が、人はいなかった。
「いないのかな?」
「入るぜ ここに」
「いないねー トイレにでもいったんじゃない?」
「だから入るぜ。ここにな」
「ほんとだ〜 いなーい」
「だから入るっての。ここに! 反乱軍の長のオレがさ!」
「………」
あまりにも期待はずれで当たりが静まった。
誰だってフレイがお偉いさんだとは思ってなかったからだ。
「期待はずれ。」
「もっといい人だと思ったのに。」
「まさかお兄ちゃんだなんて。」
「お前だったのかよ……」
みんなに否定される。
「なんだよその目。情報あげないぜ」
「卑怯だ! もう、その紙奪うからね!」
「って、ばれてたのか。 奪えるもんなら奪ってみろ!」
こんなんでいいのか反乱軍。諜報部員と長がこれで。
「レオン、パスだッ」
「お、おい!」
投げられた紙を読む。
そこには思いもよらぬことが書いてあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6話、終了です。
帝国の野望とはなんなのか!
どうぞ7話にご期待ください。
お読みいただきありがとうございました。
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.17 )
- 日時: 2018/01/15 20:50
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
7話 皇帝の側近
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
報告書
帝国(城下町)に潜入、及び観察の結果をここに記載する。
1,城下町
民衆は他国と同じ模様。だが、皇帝への支持率は低い。
兵士も普通に過ごしていた。民衆との仲もいい。
山の頂上だが、物資に不足はない。どれも豊富だ。
しかし、天候が変わりやすい。
2、酒場
たくさんの人の集まる酒場は、情報の宝箱だった。
夜には兵士も来て酒を飲む。誘われたが任務のため拒否。(正確には未成年なので)酔いつぶれた兵士から情報を聞き出すことに成功。また、マスター(諜報活動中のディエナ)からも情報を獲得。来てくれれば紙にまとめて渡すとこと。
得られた情報を下にまとめておく。
・兵士、民衆の4割は皇帝を支持していない。
・地下牢とは別に監獄がある。管理人は皇帝の側近。
・その監獄の名はミテス監獄。通称研究所。何らかの実験を行っている模様。
長年、兵士団長を務めている者によると皇帝…だけではなく帝国は皇帝の側近が入って来てから変わっていったとの事。その他の情報からも側近が怪しいという事が判明。引き続き調査を進める。
以上。 ハイウィンド
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フレイから投げ渡された報告書には、野望までは書いていなかった。
しかし、重要な事はわかった。それは、側近………パナソが怪しいという事。
もしかしたら、帝国を操っているのはパナソなのかもしれない。
「どうよ、私の報告書!」
「肝心な事は載ってなかったな」
「これでも命懸けだったんだよ。酒臭かったし。」
それとは別だろう。
「ま、いいんじゃねえか? パナソを問い詰めればいいんだし。」
「そうだね。じゃ……
「ちょっと聞いて!」
慌ててジェシィが入って来た。
「今ね、ディエナから聞いた情報なんだけどさ、明後日帝国が魔石を奪いに…
「どこ? わかんなかったら魔石の名前!」
「バイヴ・カハの魔石。だったはず。場所は古代遺跡。」
「ありがとう。」
「頼めるのよね? ハイウィンド」
オリガが俺達を見る。その目は昔とは違い、『必ずやる』というものだった。
俺達は頷いた。
「やるよ。絶対に。」
「そうこなくっちゃ!」
ジェシィは「頼んだよ〜」と言いながら出て行った。
「さて古代遺跡へ行くよ。たとえ間に合わなくても大丈夫だけど」
「なんで?」
「バイヴ・カハの魔石は3つの欠片に分かれていて、
それぞれに幻獣が入っているからだよ。合体しなければ大丈夫。」
「合体したとしても幻獣は使う者を選ぶからきっと大丈夫よ」
「さっさと行こうぜ!」
「そうだね」
今度は絶対に負けない。勝ってみせる。
こんなんじゃ守るどころか失うだけだ。
ならば、やって見せる。あの技を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
7話終了です。
さて、バイヴ・カハの魔石は守れるのか……!
どうぞ8話にご期待ください。
お読みいただきありがとうございました!
- お知らせ ( No.18 )
- 日時: 2017/09/01 20:53
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
ここ一週間、小説が更新しにくいです。
なので、8話は9月9日以降に更新します。
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.19 )
- 日時: 2017/09/10 20:21
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
7.5話 新たな出会い
バイヴ・カハの魔石を守る為に俺達は、古代遺跡へ向かっていた。
その途中に迷いの森というものがある。
陽の光があまり届かず暗く、道は入り組んでいて夜は危険な森だ。
「くら〜い」
「日が暮れてきたね」
「あそこの宿屋で休もうぜ」
奥の方に明かりが見えた。
看板にはベッドが描かれていた。
「こんなところにあったんだな」
「さっさと休もっか」
中に入ると応接間があった。
「フーがたくさんいる!」
階段や床、カウンターにダルメシアンのような姿で体長14㎝ほどの犬のような生き物がいた。
その名も、フー。名前の由来は可愛らしい姿のため、見ると「ふ〜」とため息が出るかららしい。
「あら、お客さん?」
2階から女性の声がした。
「あの、ここで休みたいんですけど…」
「そう、何部屋? 1つ3人までなら入れるけど」
「なら、2部屋で」
「かしこまり。ゆっくりどうぞ。あと、フーにもよろしくね」
その女性は1階から降りてきて俺達に鍵を渡してソファに座った。
すると、たくさんのフーが寄ってきて遊んでいる。
「なんで、こんなにもフーが?」
「ボランティアだからよ。この森でケガしていたフーとか、捨てフーとかを引き取っているの」
「捨てフーか……」
フーはよく人々に飼われている。だからこそ捨てる人もいる。
「引き取っていたらこんなにも増えちゃったの。だから引き取り手を探しているの。どう? そこのお兄さん。
足元にいるフー、飼ってみない? 旅のお供にもなるわよ」
言われて足元をみると、1匹のフーがいた。そのフーはこちらをじっと見ている。
「いいんじゃないか、お前、小動物によく好かれるし」
「フーは魔除けにもなるよ。だからいいんじゃない?」
みんな飼う気満々だ。
「そうだな、俺達が引き取る」
「ありがとう。その子の名前はそのままでフーっていうの。よろしくね」
フー、か。
こいつは他のやつと違うような気がした。
どこか、懐かしいような……
まぁ、それは置いといて
「フー、よろしくな」
「ワゥ〜」
そして、俺達は寝た。
「気をつけてね〜」
一夜明け、店主の女性に見送られながら俺達は古代遺跡へ再出発した。
もちろん、フーとともに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
7.5話、終了です。
今度こそ古代遺跡へ向かいます。
8話をお楽しみに!
お読みいただきありがとうございました。
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.20 )
- 日時: 2017/09/11 12:08
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
8話 不吉な予言
迷いの森を抜け、やっと古代遺跡についた。
さすが古代遺跡なだけあって、一部壊れていたり、苔が生えていたりする。
入り口は3つある。しかし1つは扉が開いていない。
「マッハとネヴァンの魔石を取ってからって感じだね〜」
「二手に分かれるか」
俺達は、二手に分かれた。
マッハの方は俺、オリガ、ミント。ネヴァンの方はフレイとフレイヤ。
「手に入れたら、ここに集合でな!」
「ああ。わかった。」
別れを告げ、中に入る。
松明の明かりだけが道を照らす。
迷うことはありえない1本道だが、罠が俺達を襲う。
「ワウ⁉」
オリガの肩に乗っていたフーが突然鳴く。
「矢が横を通り過ぎた…… って事は」
松明の明かりで奥にモンスターがいるのが見える。
あれは……スナイパーと呼ばれるモンスターだ。
小柄で闇に潜み、獲物を仕留めるまで矢を放ち続ける。
「見えた!」
オリガが魔法の詠唱を瞬時終え、スナイパー目掛けて氷球を放つ。
見事に命中し、スナイパーが光の粒となって消える。
「モンスターも人も、命ある者はこうやって元の場所へ帰るんだね」
「光の粒を見るとさ、なんかさ、ゴメンって思っちゃうんだ」
「そうか? だが………」
この刻を生き抜くためには犠牲も必要だ。
俺達が食べる食材も、住むための家具となる木材も、元となる者の命を刈り取っているだろう。
だからこそ、
「生き抜くためには必要な事だ。先を急ぐぞ」
「レオン、つめた〜い」
そんな茶番を繰り広げながら歩くこと10分。
魔石の間とも呼ばれる場所へやってきた。
「これがマッハの魔石だね。」
「さぁ、戻ろう!」
すると、俺のスマホに電話が掛かってきた。
耳に当てるとかなりデカイ音量で、
「魔石ゲットしたぜ! そっちはまだだろ?」
と、聞こえた。
「音デカすぎだ! ったく、鼓膜切れるだろ!」
「うわっ お前が怒ってる…… ゴメンゴメン。 今後気をつけっから後でな」
「わかった。」
電話をきる。
「ちょっとヤバくない?」
気がついたらスナイパーに囲まれていた。
きっとアイツのせいだろう。音に反応して出てきたのだろう。
「ここはひとまず、逃げた方がいい!」
来た道急いで戻る。
後ろから矢がたくさん飛んでくる。
「ん?扉が閉まり始めてる⁉」
全速力で走る。
地上へ全員出た時、扉が閉まった。
「よっ! お疲れさん」
「お前のせいだからな」
「す、すみません………」
フレイ達とも合流し、3つ目の扉へ向かう。
その扉に共鳴するように魔石が光り輝く。
すると扉は開いた。
道はなく、すぐ魔石の間だった。
手に持っていたマッハ、ネヴァンの魔石は浮き、空中で光を放ちながらモーリアンの魔石と合体し、バイヴ・カハの魔石へとなった。
召喚した時と同様に俺達の前に姿を現す。
「力を私達に示しなさい。」
バイヴ・カハが襲ってきた。
モーリアンは魔法で、マッハは剣で、ネヴァンは混乱や即死などの状態異常魔法で攻撃してくる。
「みんな寝てなさ〜い」
末っ子のネヴァンは笑顔で即死魔法を放ってくる。
「3ついただきぃ」
フレイ、フレイヤ、オリガが倒れていた。
「なんならフェニックス! お願い!」
ミントがフェニックスの魔石を空中へ投げる。紅く輝きフェニックスが現れた。
フェニックスが雄叫びをあげ、その場にいる者を炎で包む。
転生の炎。戦闘不能となった者を生き返らせ、敵を炎で攻撃する技だ。
3人は生き返り、再び攻撃しはじめる。
しかし……
「熱っ! もう終わり終わり! フェニックス従えてんなら大丈夫よね? 姉様?」
「そのようね。私達の力を良き道へ使うのならばいいでしょう。誓いますか?」
「もちろんだ。帝国に使われないようにするためにな」
「わかりましたそれでは……」
「よろしくお願いします」
マッハとモーリアンはがそういう中、ネヴァンだけは表情が暗かった。
「どうしたの? ネヴァン。戦いの時は楽しそうだったのに。」
「もしかして見てしまったのですか」
「うん」
そうしてネヴァンの口から語られた予言は、
「君たちの中の誰か、もう時期神のところへ帰るよ」
というものだった。
「つまり、誰か………死ぬの………?」
オリガが震える声で聞く。
ネヴァンは頷く。
「でも、未来は変えられるかもしれない。だから、頑張って」
「そうです。無限の可能性があります。貴方達には」
「生きるの。絶対にね!」
そう言ってバイヴ・カハは魔石になった。
「1度アジトへ戻ろうか。話はそこでしよう。」
暗い気持ちのまま、アジトへ戻ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8話終了です。
なんと約1900文字! 長くなったのに終わり方がダークですみません。
9話にご期待ください………
お読みいただきありがとうございました……
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.21 )
- 日時: 2017/09/11 21:03
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
9話 託された願いを胸に
俺達は反乱軍のアジトへ戻った。
「おかえり……ってなんかあったの?」
「実はね……」
ジェシィに全て話した。不吉な予言のことも。
「いつものみんなっぽくないね。それは予言でしょ?ぶち壊しちゃえばいいさ」
「でも……」
ジェシィは励ましてくれているようだが、俺達は気分が良くならなかった。
なぜなら、バイヴ・カハの予言は必ず的中してしまうからだ。
特に、死の予言は。
「いい加減にしな! そんなんじゃ、そんなんじゃ守るべきものさえ失うよ!
いつものみんなはどこに行ったのよ……
願いを託されたんでしょ? 院長や女王様、ジン君やルミネさんからも。
みんながこれでどうすんのよ……」
託された願いか……
俺達は確かに希望や願いを託されていた。
なのにどうだろうか。
俺達がへこんでいてはどうだろうか。
世界の何1つも変わらない。
それに今も帝国は活動している。
「これ、さっき届いた報告書。ディエナからだからね」
「読んでくれ」
「バイヴ・カハの魔石の次は、イフリートの魔石だって。ムスペルヘイムの」
「わかった。じゃあ行くね」
「せいぜい気をつけなさいよ。元気出して頑張って!」
「うん!」
毎回俺はジェシィには人を元気づける力があると思う。
それも俺達に託しているのだろう。
だからこそ、頑張らなくては。
都市ムスペルヘイムはボルケーノ火山の近くにある。
火山の熱を利用した温泉が人気の観光地だ。
そのため交通も発展しており、列車で数十分で行ける。
その列車に俺達は乗っている。
「わ〜 景色がすぐ変わる〜」
「オリガは初めてなの?」
「うん。いつも定期便で移動してたから」
オリガとミントとフレイヤは景色を眺める。まるで、遠足みたいに。
「お前はいいのか? Pマン弁当買わなくて」
「俺は…… いいさ………うぇ……」
「もしかして乗り物によわいのか?」
「ああ。そう……だ……」
はやくつかないか。もう限界だ…
『皆様、窓を絶対に開けないでください。ムスペルヘイムへ入りました』
車内アナウンスがなると辺りの景色が一変。
湯気がいろんなところで立ち、旗が立っていたりする。
「うお! 温泉卵だってさ。 食いに行くよな…… ってオイ!」
「もうダメだ……」
あまりにも気持ち悪すぎて気を失ってしまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……」
「お目覚めかな?」
目がさめるとベンチに座っていた。
隣にはオリガが座っており、他に誰もいない。
「アイツらは?」
「先に行ったよ。」
「そうか。なら行くか。」
立ち上がり歩き出したら声をかけられた。
「あ、あの……お兄さんたちって強いですか?」
「え?」
声をかけてきたのは10さいぐらいの少年だった。
「何かあったの?」
「実は、陛下にイフリートの魔石が…… それで旅しているお兄さん達が先に行ってるんですけど」
「わかった。なんとなくだけど。」
「任せろ。」
「あ、ありがとうございます!」
ここは帝国の属国だ。
だからこそ急がなければ。
託された願いを胸に火山へ向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9話終了です。
時間がないのでここら辺で!
お読みいただきありがとうございました!
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.22 )
- 日時: 2018/07/26 21:47
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
9.5話 隠し事
「じいちゃん達、大丈夫かなぁ」
俺とオリガと少年は火山に向かっていた。
少年によると、皇帝はもう行っているらしい。
「お前は待っていてもいいんだが、なぜついてくる?」
「それは……魔石を守る事が僕達、“炎の守一族” の役割だからです。」
「炎の守一族? あの召喚士の一族の中で属性を司る、別れた一族の?」
「はい。そうです。正確には、別れたのではなく、契約した相手が違うのですが…」
「そっかぁ、神と契約したんだよね〜 そっちは。」
「お姉さん、何か知っているんですか?」
「別に何も〜 まぁさっさと行こう!」
オリガは何か知っているのか?
一瞬、裏が見えた気がする。
今思うと、家柄や住んでいた所などが俺、ミント同様にオリガも不明だった。
院長は知っていたみたいだが、俺達には教えてくれなかった。
思い出そうと思っても思い出せない……まるで霧がかかったかのように。
「考えすぎ、注意ね」
「なんの…… イテ!」
頭上注意の看板に頭をぶつけた。
「もう火山の入り口ですよ、気をつけてくださいね」
「ああ…… そうだな。先に行っていてくれ」
「うん、わかった。」
オリガ達が先を行く。
(アイツは一体何を隠しているんだ?)
さっきから何かが違う。
声のトーンも調子も。
アイツは何か隠し事をするのがうまい。
だが、大抵はミントにばれてしまうのだが…
でも、あんな風に隠すのは初めてだ。
アイツの使う魔法のように冷たい声。
きっと何かあるに違いない。
「ワウ〜?」
気がつくと足元にフーがいた。
「なんでもないさ。」
「きゃぷ〜」
フーと共に後を追う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9.5話終わりです。
オリガはいったい何を隠しているのか……
記念すべき10話をお楽しみに!(明るい話になるとは限らない)
ここで、チェンジ・ザ・ワールドの略を思いつきました!
それぞれの頭文字をとって『CTW』 どうでしょうか。
読みは『チェンザワ』です。
ここで読者の皆様に質問!(作者はどんな人が読んでいるのか気になりますし…)
・ここまでのキャラクターで推しは誰?
・自分がもしフーを飼うなら名前は?
などなどコメントにて1つでもいいので書いてみてください!
逆に、作者への質問もOKです。
期限はありませんのでいつでもどうぞ。
お読みいただきありがとうございました。
- Re: Chage the world −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.23 )
- 日時: 2017/09/17 19:24
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
今回から題名に第何章かを書かなくなりました。
10話 帝国の野望
「おじいちゃん、ただいま。」
「お、おう、アイヤか…」
無事に先に行っているお兄さん達……フレイ達と合流した。
「どうして物陰に隠れているの?」
「盗み聞きってやつだよ。ほれ、静かにせい。」
さすが火山の中。
マグマが噴き出ており、暑苦しい。
汗が無限に噴き出る。
そんなことに耐えながら耳をすますと声が聞こえてきた。
「残る鍵はあと5つ。そうだよな?」
「うん、残っているのはコールドとリヴァイアサン、ウェンディーネとオーディンとバハムート!」
今回は皇帝とパナソではないらしい。
俺達ぐらいの男女がいた。
「そういや、これ集めてどーすんだっけ?」
「封印を解くんでしょ! 陛下が力を手に入れるために。 そして神に近くなるために!」
ボケとツッコミという感じか。
女の方がツッコンでくれるおかげでいろいろ知れそうだ。
「さてと、さっきから人の気配がするのよね〜」
「そうだな、フーの匂いもする。」
さっきから肩に乗っていたフーがブルブルと震えだす。
喰われる……と思ったんだろう。
「見えた!」
「さっすが〜 千里眼のリガン!」
「出てこいよ、剣舞のレオンに氷槍のオリガ、そして炎の守一族!」
まさか、ここで二つ名で呼ばれるとは思いもしなかった。
それに、あいつらをどこかで見たことがある。
確かその名は……
「おひさおひさ〜 帝国のデコボココンビのリガンとイサチ!」
「やっぱりお前だ! もう騙されねえぞ!」
オリガとリガンには何かあったらしい。
だがそれは置いといて、俺達も姿を現す。
「やっと皆さん出てきたって感じ? ならばこれでオサラバよ。 行っけ〜 イフリート♡」
召喚されてイフリートがでてきた。
「ウオォォォォォォォォォォ」
咆哮を上げ、こちらを睨む。
炎の守一族がいるのに。
「ど、どういうこと? おじいちゃん……」
「彼奴はお前の知るイフリートではない。彼奴にはこちらを焼き尽くすことしか残っていない」
「ってことは目を覚まさせればいいよね?」
すると、イフリートの足元から岩が突き出てきた。
高くなり、イフリートをどんどん上にあげる。
そして途中で岩は砕け、イフリートがデコボコの岩肌の地面へ直撃した。
「土属性魔法か…… しかし効かぬぞ。 イフリートは。」
「水属性魔法なら効くんだぜ。」
「そんなんわかってるよお兄ちゃん!」
「こっちのことも忘れんなよ!」
気がつくと、両手に炎を宿したリガンが俺に向かって飛んできていた。
瞬時に剣でリガンの拳を止める。
「誰が忘れたといった?」
「うわぁ、相変わらず怒ると怖いねー」
「怒っていないけどな」
振り払う。
剣を構え魔力を剣に込める。
成功したことはあまりない。だが、やるしかない。
一か八かの勝負で決まる、あの技を。
「剣舞技 龍水!」
剣に水が宿り、リガンに向かって剣を振るう。
すると水が龍の姿のようになりリガンを襲った。
剣舞技。それは剣に魔力を込め剣を振ると同時に魔法を発動させる技だ。
俺の魔法の属性は無のため、他の属性はなかなかできなかった。
だが、ジンは『想いが強ければできる』と言った。
当時はわからなかったが、今ならわかる。
この技は、『守るべきものへの想い』が強ければできるということが。
「ぐはぁ… お前もできるようになったんだな」
「謎が解けたからな」
「じゃあ、イフリートに任せて撤退するか。おい、イサチ。撤退……ってあれ?」
「イサチならもう逃げたわよ」
「何だって⁉」
「でも、あなたは逃さないわ」
ミントが笑顔でリガンへ寄る。鞭をビシッと引っ張って。
「うわぁ…… ヤベェのでてきた…… 俺の今は亡きオカンに似てる……」
嫌なことを思い出したかのような顔をしてリガンは瞬間移動魔法を瞬時に唱えて撤退した。
「なーんだ、つまんないのー」
「まだ強敵が残っているけどな」
再びイフリートへ振り向く。
そして武器を構えたのだが……
「お主達、これは炎の守一族の使命だ。 下がっておれ。」
おじいちゃん……フアンがイフリートへ近づく。
イフリートは咆哮を上げた。
より力を高めたのだろう。
「イフリートよ、落ち着け。お主はそのようなものではないだろう?」
「ウオォォォォォ」
イフリートは勢いをつけたままだ。
それでもフアンは語る。
「思い出せ、召喚士との約束を。 守るべきもののために力を使うという約束を」
一瞬だが、イフリートの勢いが弱まる。だが、再びつく。
そして、フアンに向けて、必殺技のヘルファイアをはなつ。
「おじいちゃん‼」
「ダメだ、アイヤ! 来るんではない! そのほかの者だ」
ヘルファイアがおさまると、フアンの服はほとんどが焼け、体は火傷していた。
それでもフアンはイフリートへ近ずく。
傷む体を引きずるように歩きながら。
そんなフアンを容赦なく攻撃するイフリート。
まさにその姿は、地獄の炎を操る魔獣だった。
弾き飛ばされたり、燃やされたりしながらもフアンは立ち上がり、イフリートへ歩いて行く。
「この命、燃え尽きても、お主をもとに、戻す!」
立ち上がるもすぐに膝をついたフアンにアイヤは泣きながら近づく。
「もう嫌だよ…… おじいちゃん…… せめてこれ使って……」
アイヤの手には回復薬が握られていた。
「いらん! アイヤがピンチの時に、使いなさい。さあ、もど、れ」
アイヤが戻ってくる。
「なんでお兄さん達はおじいちゃんを助けないの‼ なんで‼」
「……」
俺達は黙り込んでしまう。
アイヤの気持ちもわかるが、この戦いには俺達は加わってはいけない。
なぜなら、
「この戦いはね、フアンさんの一族の長としての誇りがかかっているの。」
「だとしても! おじいちゃんが… 死んじゃうよ…」
「アイヤ、おじいちゃんの眼をよく見てごらん」
ミントが優しい声でアイヤを納得させる。
「あの眼には覚悟が現れているでしょ? それだけおじいちゃんには大切な戦いなの。もし私達が助けたらあの眼の輝きはなくなっちゃうし、おじいちゃんの誇りを一生傷つけちゃうの。だから、ね」
やっとのやっとでフアンはイフリートの元へたどり着く。
イフリート胸に手を当てて語る。
「イフリートよ…… おも、い、だせ…… お主の誓いを……」
フアンの手が煌る。
すると、イフリートの勢いがおさまった。
「よか、た…… 思い出した、の…… だな」
イフリートが頷く。
「フアン様…… 申し訳ありません…」
「いいのじゃ…… ぐはぁ」
フアンが倒れる。そして、アイヤと共に駆け寄る。
「おじいちゃん‼」
「フアン様‼」
「もう、わしはやりきった。悔やむことなどないぞ。だから、イフリート。誓いを忘れるな。そして、アイヤ。お主を、お主を1人にしてすまん。本当にすまん」
その声はフアンの命の灯火のようだった。
「もう泣くな。笑え。」
アイヤががむしゃらで笑う。
「さようならだ。アイヤ。元気でな」
「おじいちゃん‼ おじいちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん」
アイヤの悲鳴混じりの声が火山に響いた。
続きます
- Re: Chage the world −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.24 )
- 日時: 2017/09/17 20:13
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
お知らせ
第10話なんですが、文字化けしてしまいすみません。
正しくは「!」が入ります。
ん?なぜ直さないかって?
実は、いつも使っているパスワードを入れたはずなんですが、
どこかで間違えてしまい、編集できないのです。
- Re: Chage the world −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.25 )
- 日時: 2018/01/23 18:55
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
10話(2)
光の粒となって神のところへ帰って行くおじいちゃんの亡骸を前に、アイヤは泣き叫ぶ。
それと同時にイフリートは消えた。
「こそこそ(レオン、慰めてやれよ)」
フレイが寄ってきて、俺に言う。
「こそこそ(はぁ? 俺にできるわけないだろ)」
「こそこそ(そこをなんとか…ね? 自分の経験とか入れてさ〜)」
自分でやれよ。
「こそこそ(ま、頑張れ!)」
「うわ、ちょ、おい!」
背中を押された。ここまできたら、やるしかない。
アイヤの隣へ歩いて行く。
目線をだいたい同じぐらいにして話しかける。
院長がよくやっていたこの方法で。
「認めたくないよな。大切な人がいなくなるのは」
アイヤは頷く。
「俺にもあったんだ。だから、お前の気持ちもわかる。」
「お兄さんも?」
「そうだ。忘れたことなんてない。だって、俺をかばって死んじまったんだから。」
このことはまだ誰にも話していない。
「ま、とりあえず、ここを出よう。暑いもんな」
そして火山を後にした。
向かったのはアイヤの家。
普通の家だが、かなり綺麗だった。
「さっきの話の続き、聞いていい?」
「もちろんだ。」
別にいいよな? 言ったって。
「4年前のことだ。今もなんだが俺は反乱軍に所属しているんだ。そこで、ジン・レンロスってやつに出会ったんだ。ちなみに剣舞技は全部、そいつに教わったんだ。」
「ジン先輩はね〜 帝国の兵だったんだけど色々あってこっち側になったんだよ」
「それでジンといろんなところをまわったんだ。色々したんだ。あの時は楽しかった。でも、ジンは俺をかばって死んじまったんだ。まぁ、そんなところだ。」
「お兄さんもですか…」
「ここにいるやつはだいたいそんな過去を持ってる。だから、そんな思いをするのはお前だけじゃない。覚えとけ」
「ありがとうございます。こんな、僕のために」
「じゃ、そろそろ行くか。」
「本当にありがとうございました! 魔石、取り戻してくださいね」
「お、おう! じゃあな〜」
いえをでた。
「ジンくん、そうだったんだ…」
「これ以上深く入らないでくれ。」
「もちろんだよ。で、話変わるけど、帝国の…いや、皇帝の野望がわかったね。」
「そうだな。」
あのコンビが話してくれたおかげで、だいたいのことがわかった。
「皇帝は魔石を集めてとある扉を開き、力を手に入れ、神に近くなる」
それが野望のようだが、謎が深まる。
扉はなんなのか、神に近くなり何をするのか。
とりあえず情報を共有するためにアジトへ戻ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長すぎる10話、終了です。
そして、第2章も終了です。
まだまだ旅は続きます。お楽しみに!
お読みいただきありがとうございました。