ダーク・ファンタジー小説

Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.19 )
日時: 2017/09/10 20:21
名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)

7.5話 新たな出会い

バイヴ・カハの魔石を守る為に俺達は、古代遺跡へ向かっていた。
その途中に迷いの森というものがある。
陽の光があまり届かず暗く、道は入り組んでいて夜は危険な森だ。

「くら〜い」
「日が暮れてきたね」
「あそこの宿屋で休もうぜ」

奥の方に明かりが見えた。
看板にはベッドが描かれていた。

「こんなところにあったんだな」
「さっさと休もっか」

中に入ると応接間があった。

「フーがたくさんいる!」

階段や床、カウンターにダルメシアンのような姿で体長14㎝ほどの犬のような生き物がいた。
その名も、フー。名前の由来は可愛らしい姿のため、見ると「ふ〜」とため息が出るかららしい。

「あら、お客さん?」

2階から女性の声がした。

「あの、ここで休みたいんですけど…」
「そう、何部屋? 1つ3人までなら入れるけど」
「なら、2部屋で」
「かしこまり。ゆっくりどうぞ。あと、フーにもよろしくね」

その女性は1階から降りてきて俺達に鍵を渡してソファに座った。
すると、たくさんのフーが寄ってきて遊んでいる。

「なんで、こんなにもフーが?」
「ボランティアだからよ。この森でケガしていたフーとか、捨てフーとかを引き取っているの」
「捨てフーか……」

フーはよく人々に飼われている。だからこそ捨てる人もいる。

「引き取っていたらこんなにも増えちゃったの。だから引き取り手を探しているの。どう? そこのお兄さん。
足元にいるフー、飼ってみない? 旅のお供にもなるわよ」

言われて足元をみると、1匹のフーがいた。そのフーはこちらをじっと見ている。

「いいんじゃないか、お前、小動物によく好かれるし」
「フーは魔除けにもなるよ。だからいいんじゃない?」

みんな飼う気満々だ。

「そうだな、俺達が引き取る」
「ありがとう。その子の名前はそのままでフーっていうの。よろしくね」

フー、か。
こいつは他のやつと違うような気がした。
どこか、懐かしいような……

まぁ、それは置いといて

「フー、よろしくな」
「ワゥ〜」

そして、俺達は寝た。

「気をつけてね〜」

一夜明け、店主の女性に見送られながら俺達は古代遺跡へ再出発した。
もちろん、フーとともに。

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7.5話、終了です。

今度こそ古代遺跡へ向かいます。
8話をお楽しみに!

お読みいただきありがとうございました。