ダーク・ファンタジー小説
- Re:チェンジ・ザ・ワールド 第2章 ( No.21 )
- 日時: 2017/09/11 21:03
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
9話 託された願いを胸に
俺達は反乱軍のアジトへ戻った。
「おかえり……ってなんかあったの?」
「実はね……」
ジェシィに全て話した。不吉な予言のことも。
「いつものみんなっぽくないね。それは予言でしょ?ぶち壊しちゃえばいいさ」
「でも……」
ジェシィは励ましてくれているようだが、俺達は気分が良くならなかった。
なぜなら、バイヴ・カハの予言は必ず的中してしまうからだ。
特に、死の予言は。
「いい加減にしな! そんなんじゃ、そんなんじゃ守るべきものさえ失うよ!
いつものみんなはどこに行ったのよ……
願いを託されたんでしょ? 院長や女王様、ジン君やルミネさんからも。
みんながこれでどうすんのよ……」
託された願いか……
俺達は確かに希望や願いを託されていた。
なのにどうだろうか。
俺達がへこんでいてはどうだろうか。
世界の何1つも変わらない。
それに今も帝国は活動している。
「これ、さっき届いた報告書。ディエナからだからね」
「読んでくれ」
「バイヴ・カハの魔石の次は、イフリートの魔石だって。ムスペルヘイムの」
「わかった。じゃあ行くね」
「せいぜい気をつけなさいよ。元気出して頑張って!」
「うん!」
毎回俺はジェシィには人を元気づける力があると思う。
それも俺達に託しているのだろう。
だからこそ、頑張らなくては。
都市ムスペルヘイムはボルケーノ火山の近くにある。
火山の熱を利用した温泉が人気の観光地だ。
そのため交通も発展しており、列車で数十分で行ける。
その列車に俺達は乗っている。
「わ〜 景色がすぐ変わる〜」
「オリガは初めてなの?」
「うん。いつも定期便で移動してたから」
オリガとミントとフレイヤは景色を眺める。まるで、遠足みたいに。
「お前はいいのか? Pマン弁当買わなくて」
「俺は…… いいさ………うぇ……」
「もしかして乗り物によわいのか?」
「ああ。そう……だ……」
はやくつかないか。もう限界だ…
『皆様、窓を絶対に開けないでください。ムスペルヘイムへ入りました』
車内アナウンスがなると辺りの景色が一変。
湯気がいろんなところで立ち、旗が立っていたりする。
「うお! 温泉卵だってさ。 食いに行くよな…… ってオイ!」
「もうダメだ……」
あまりにも気持ち悪すぎて気を失ってしまった。
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「……」
「お目覚めかな?」
目がさめるとベンチに座っていた。
隣にはオリガが座っており、他に誰もいない。
「アイツらは?」
「先に行ったよ。」
「そうか。なら行くか。」
立ち上がり歩き出したら声をかけられた。
「あ、あの……お兄さんたちって強いですか?」
「え?」
声をかけてきたのは10さいぐらいの少年だった。
「何かあったの?」
「実は、陛下にイフリートの魔石が…… それで旅しているお兄さん達が先に行ってるんですけど」
「わかった。なんとなくだけど。」
「任せろ。」
「あ、ありがとうございます!」
ここは帝国の属国だ。
だからこそ急がなければ。
託された願いを胸に火山へ向かう。
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9話終了です。
時間がないのでここら辺で!
お読みいただきありがとうございました!