ダーク・ファンタジー小説
- Re: Chage the world −チェンジ・ザ・ワールド− ( No.25 )
- 日時: 2018/01/23 18:55
- 名前: 和花。 (ID: qU5F42BG)
10話(2)
光の粒となって神のところへ帰って行くおじいちゃんの亡骸を前に、アイヤは泣き叫ぶ。
それと同時にイフリートは消えた。
「こそこそ(レオン、慰めてやれよ)」
フレイが寄ってきて、俺に言う。
「こそこそ(はぁ? 俺にできるわけないだろ)」
「こそこそ(そこをなんとか…ね? 自分の経験とか入れてさ〜)」
自分でやれよ。
「こそこそ(ま、頑張れ!)」
「うわ、ちょ、おい!」
背中を押された。ここまできたら、やるしかない。
アイヤの隣へ歩いて行く。
目線をだいたい同じぐらいにして話しかける。
院長がよくやっていたこの方法で。
「認めたくないよな。大切な人がいなくなるのは」
アイヤは頷く。
「俺にもあったんだ。だから、お前の気持ちもわかる。」
「お兄さんも?」
「そうだ。忘れたことなんてない。だって、俺をかばって死んじまったんだから。」
このことはまだ誰にも話していない。
「ま、とりあえず、ここを出よう。暑いもんな」
そして火山を後にした。
向かったのはアイヤの家。
普通の家だが、かなり綺麗だった。
「さっきの話の続き、聞いていい?」
「もちろんだ。」
別にいいよな? 言ったって。
「4年前のことだ。今もなんだが俺は反乱軍に所属しているんだ。そこで、ジン・レンロスってやつに出会ったんだ。ちなみに剣舞技は全部、そいつに教わったんだ。」
「ジン先輩はね〜 帝国の兵だったんだけど色々あってこっち側になったんだよ」
「それでジンといろんなところをまわったんだ。色々したんだ。あの時は楽しかった。でも、ジンは俺をかばって死んじまったんだ。まぁ、そんなところだ。」
「お兄さんもですか…」
「ここにいるやつはだいたいそんな過去を持ってる。だから、そんな思いをするのはお前だけじゃない。覚えとけ」
「ありがとうございます。こんな、僕のために」
「じゃ、そろそろ行くか。」
「本当にありがとうございました! 魔石、取り戻してくださいね」
「お、おう! じゃあな〜」
いえをでた。
「ジンくん、そうだったんだ…」
「これ以上深く入らないでくれ。」
「もちろんだよ。で、話変わるけど、帝国の…いや、皇帝の野望がわかったね。」
「そうだな。」
あのコンビが話してくれたおかげで、だいたいのことがわかった。
「皇帝は魔石を集めてとある扉を開き、力を手に入れ、神に近くなる」
それが野望のようだが、謎が深まる。
扉はなんなのか、神に近くなり何をするのか。
とりあえず情報を共有するためにアジトへ戻ることにした。
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長すぎる10話、終了です。
そして、第2章も終了です。
まだまだ旅は続きます。お楽しみに!
お読みいただきありがとうございました。